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なぜロシアはシリアからの軍撤収を決めたのか
―― 軍事紛争から外交へと流れを変えるチャンスか

キンバリー・マーチン バーナード・カレッジ教授(政治学)、ラジャ・メノン ニューヨーク市立大学教授(国際関係論)

Putin's Mission Accomplished Why Russia is talking troops out of Syria

2016年4月号掲載論文

現在のところ、プーチンは、ロシア国防省に課された目的は全般的に達成されたとみなし、今後は外交を強化すべきだと語っている。撤収の決定はたんなる資金節約のためではないはずだ。ロシアのシリア介入コストは、年間10-20億ドル程度で、途方もない金額に達していたわけではない。だがより重要なのは、今なら、プーチンが中東の泥沼に引きずり込まれるリスクを冒すことなく、勝利を宣言できることだ。空爆は機能した。介入によってシリアのアサド政権の崩壊は回避され、(サウジ、トルコなどが支援する)征服軍の攻勢によって、イドリブやアレッポを含む、一時はシリア軍が撤退を強いられていた4000平方マイル近い地域も取り戻せた。これを、停戦の永続化とシリア紛争の終わりに結びつけることができれば、プーチンだけでなく、誰もが勝者となれる。

  • 撤退する理由
  • 大国としての立場

<撤退する理由>

3月14日、ロシアのプーチン大統領は、6カ月前にシリアに投入したロシア軍の主力部隊を撤退させつつあると表明した。但し、「今後もラタキア南東部にあるフメイミム空軍基地、タルトゥース海軍基地からの作戦能力は維持する」と付け加え、両基地を「陸海空の攻撃から守る」と語っている。したがって、シリアのロシア軍の撤収が長期的にどのような作用をするかは現状でははっきりしない。もちろん、ロシアがシリアに戦力を再投入する選択肢も残されている。

しかし現在のところ、プーチンは、「シリア介入をめぐってロシア国防省に課された目的は全般的に達成された」とみなし、「今後は外交を強化すべきだ」と語っている。しかし彼は何を具体的に考えているのだろうか。・・・

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