<イスラエルの立場> ―― イスラエルの一部指導者はすでにイランの核施設を空爆する準備はできていると発言しているが、一方で、いまは攻撃のタイミングではないという指導者もいる。 イスラエルは、アメリカにおける論争とは、少し違うアングルから問題をとらえている。アメリカでは、ウラン濃縮をどのレベルまで認めるかなど、イランが越えてはならないレッドライン、それを越えた場合に行動をとるレッドラインをどこに定めるかが議論されている。このアプローチの問題点は、イランがレッドラインを越えた行動をとっていることに気づかずに、イランが核兵器の開発に成功してしまうことだ。
一方、私の理解では、イスラエルのアプローチはより包括的でよりダイナミックだ。エフード・バラク国防相は、イスラエルは「(他国が)手を出せない状況=zone
of immunityをイランが作り上げること」を許さないと述べている。
これは、具体的には何を意味するか。彼が示唆しているのは、堅固に保護された数多くのサイトで核兵器に必要なウランを十分に生産できる態勢を築き、軍事攻撃をある程度成功させても、もはやイランの核開発プログラムを数年前の状態へとは引き戻せないような物理的環境をイランが作り上げることだ。
イランが核開発プログラムを質的にも量的にも充実させてこの域に達し、イスラエルが軍事的に達成できるものが乏しくなれば、それはイスラエルにとって受け入れがたい事態とみなされる。つまり、イスラエルは特定のレッドラインではなく、イスラエルが予防攻撃で破壊できるイランの核開発プログラムの規模が小さくなることを警戒している。 イスラエルの許容度と彼らにとっての時間的猶予は、われわれや国際社会のそれ以上に限られている。 ―― その決定に対してアメリカは影響力を持っているだろうか。 イスラエルはアメリカの利害、立場にも配慮すると思う。しかし、何が国益を守る上で不可欠かについての結論を出せば、イスラエルの指導者は、最終的にアメリカの立場を拒否権として受け入れることはないだろう。イスラエルにとって、これは非常に困難な決定になる。一方で、危機にさらされているものは非常に大きい。イスラエルが軍事攻撃をせざるを得ないと判断するような事態が現実になるかもしれず、当然、アメリカはこのシナリオへの対応も準備しておくべきだ。
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