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トランプから国際秩序を守るには
―― リベラルな国際主義と日独の役割

G・ジョン・アイケンベリー プリンストン大学教授(国際関係論)

The Plot against American foreign policy
―― Can the Liberal Order Survive?

G.John Ikenberry
アメリカの政治学者で、現在はプリンストン大学教授(政治学、国際関係論)。ジョージタウン大学、国務省、ブルッキングス研究所を経て現職。戦後秩序に関する論文を数多く発表している。フォーリン・アフェアーズには「民主国家連合の可能性――第2のX論文を求めて」(2007年1月号掲載)、「アメリカ後の世界秩序―― 中国による新秩序模索も文明の衝突も起きない」(2011年6月号掲載)などを寄稿している。

2017年5月号掲載論文

古代より近代まで、大国が作り上げた秩序が生まれては消えていった。秩序は外部勢力に粉砕されることでその役目を終えるものだ。自死を選ぶことはない。だが、ドナルド・トランプのあらゆる直感は、戦後の国際システムを支えてきた理念と相反するようだ。国内でもトランプはメディアを攻撃し、憲法と法の支配さえほとんど気に懸けていない。欧米の大衆も、リベラルな国際秩序のことを、豊かでパワフルな特権層のグローバルな活動の場と次第にみなすようになった。すでに権力ポストにある以上、トランプがそのアジェンダに取り組んでいくにつれて、リベラルな民主主義はさらに衰退していく。リベラルな国際秩序を存続させるには、この秩序をいまも支持する世界の指導者と有権者たちが、その試みを強化する必要があり、その多くは、日本の安倍晋三とドイツのアンゲラ・メルケルという、リベラルな戦後秩序を支持する2人の指導者の肩にかかっている。・・・

  • リベラルな秩序の内なる崩壊
  • 戦後秩序の成果
  • トランプの認識違い
  • 危険思想
  • アメリカでなければ・・・

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