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漂流する日本の政治と日米同盟 エリック・ヘジンボサム/ランド研究所シニア・ポリティカルサイエンティスト エレイ・ラトナー/ランド研究所アソシエート・ポリティカルサイエンティスト リチャード・サミュエルズ/マサチューセッツ工科大学教授 | |
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もはや日米関係が未来を明確に共有しているとは言い難い。改革によって(官僚主導から政治主導への)制度上の明確な権限移譲が実現するどころか、むしろ政治家の抗争、政治家と官僚の抗争が誘発され、その結果、権力の空白が生じ、政府の政策決定能力が損なわれている。これが日米関係、日米同盟にとって何を意味するかを考えなければならない。アメリカは日本に国益を有しているし、日本が困難な状況に陥った場合には、手を差し伸べる道義的な責任も負っている。だが、日本の先行きは依然として不透明で、しかも、いまや国防予算削減の時代にある。ワシントンはアジアにおける重要な目標を定義し、それに応じて資源を振り分けていくことを考えるべきだ。日米同盟を守っていくのが最優先課題でなければならないが、ワシントンは他の地域的なパートナーとより緊密に協力していく態勢を整えておくべきだろう。 | |
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| | 新しい朝鮮半島を思い描く ――
毅然たる態度で南北間の信頼を形作る 朴槿恵(パク・クネ)/韓国ハンナラ党前党首 |
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北朝鮮が、かつて韓国が歩んだのと同じ道を歩けるようにしなければならない。これに成功して平壌が核兵器を放棄し、平和的な行動に徹するようになれば、南北間の経済協力を進めることも、人とモノの自由な移動を認めることもできるようになる。平和が根付けば、朝鮮半島の統一も促進される。だが、そのためには、核兵器なしでも国家として存続できることを北朝鮮に理解させなければならない。先ず必要なのは南北間の信頼を形作ることだ。いまや南北間の信頼は地に落ちているが、逆に言えば、信頼関係を再構築していく機会を手にしていると考えることもできる。信頼できる抑止、力強い説得、より効果的な交渉戦術を通じて、韓国と国際社会は、核兵器がなくても生きのび、繁栄を手にできることを平壌に理解させなければならない。だがこの戦略の一貫として、北朝鮮がさらにわれわれを攻撃し、核実験を行うようであれば、韓国は取り得るすべての対応を検討することになるだろう。 | |
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| | 原発事故が子供たちと経済に与えた影響 ―― チェルノブイリの教訓(1986年発表論文)
ベネット・ランバーグ/カリフォルニア大学国際戦略センター上席リサーチアソシエーツ
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チェルノブイリ事故の放射能はヨーロッパへと飛散し、大陸に大きな懸念と心理的なトラウマを作り出した。欧州経済共同体(EEC)は、チェルノブイリから半径1000キロ以内の地域・国から生鮮食料品の輸入を禁止し、公衆衛生当局は、異なる放射線量基準を用いて、チェルノブイリの周辺地域で生産された野菜やミルクが消費されるのを阻止するために様々な措置をとった。・・・低レベル放射線被曝がどのような影響を人体に与えるかについては、専門家の間でもコンセンサスはない。われわれが自然界から放射能を日常的に受けていることは誰もが知っているし、特定の放射性物質は体内でも生産される。必ずしも無害とは言えない、こうした「バックグラウンド」放射線量のレベルは一般に年間100ミリレム(=1ミリシーベルト)と考えられている。この数字が、人工放射線被曝のベースラインとされたにすぎない。・・・・ | |
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メルトダウンの文化的背景 ――閉鎖的原子力文化とチェルノブイリ事故(1993年発表論文)
セルゲイ・P・カピッツァ/モスクワ物理工科大学 | |
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山登りであれ、原子力工学であれ、危険を伴う行動の安全性を左右するのは人的ファクターだ。原子力施設の概念構築、設計、建設、稼働に至るまで、それに携わる人間の姿勢を考慮に入れなければならない。だが、安全の絶対的な前提であるプロフェッショナリズムの文化が、全般的にも技術領域においても、ソビエトの原子力産業には欠落していた。安全に関する指令や手続きは存在したが、ソビエトの原子力プログラムでは、この人的な側面における安全基準が満たされていなかった。これが、チェルノブイリ事故の文化的背景だった。 | |
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CFRアップデート 日本の原発危機とチェルノブイリの教訓 (2011年3月16日)
ローリー・ギャレット/米外交問題評議会シニア・フェロー | |
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フォーリン・アフェアーズ・アップデート 次なる核のメルトダウンを防ぐには ―― 福島原発事故の教訓 (2011年3月21日)
ビクター・ジリンスキー/元米原子力規制委員会委員長(物理学者) | |
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核燃料を入れるジルコニウム管が高熱の蒸気に触れると水素が放出され、これが空気に触れて爆発が起き、その結果、原子炉を取り巻く格納施設が破壊された。(福島原発では)放熱が進むにつれて、少なくとも、原子炉内の核燃料の一部が溶融し、メルトダウンを起こした可能性が高い。これによって放射性物質が拡散し、その一部は格納施設の損壊部分から大気へと拡散した。どの程度のメルトダウンが起きているかは、原子炉内の放射線量が原子炉を開けても問題がない程度まで放射性崩壊が進んだ数年後に、実際に原子炉を開けてみるまではわからない。福島第一原発の原子炉がどのような状態にあるかは、状況がさらに悪化しないと仮定しても、今後、数年間はわからないままだろう。 | |
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いずれギリシャはディフォルトを宣言する ―― 欧米の自爆装置と化したグローバル金融システム
マーク・ブリス/ブラウン大学教授(政治経済学) | |
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パリとベルリンの経済官僚たちは、「この10年にわたって、周辺国は生産性が伸びていないにも関わらず、賃金レベルを引き上げたのが間違いだった」と批判するが、考えるべきは、周辺国がその資金をどこから調達したかだ。資金の出所はフランスとドイツの銀行だ。つまり、(ギリシャ、アイルランド、ポルトガル)などの周辺国の一つでも債務を履行できなくなれば、危機はEUの主要国へと瞬く間に広がりをみせていく。そして、ヨーロッパの危機はMMFとCDSのエクスポージャーによって、アメリカの銀行にも非常に深刻なダメージを与え、ヨーロッパとアメリカのリセッションはますます深刻になる。ここで、中国は何をするだろうか。のどから手が出るほど欲しがっているあらゆる技術、宇宙工学技術、金融資産をヨーロッパから非常に安い価格で入手するかもしれない。中国が台頭し支配的な影響力を持つようになるのが間近なのか、遠い将来なのかはともかく、欧米はグローバルな金融システムを、自分たちにダメージを与え、中国を大きく利することになる装置へと変貌させてしまっている。 | |
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| | CFRインタビュー ユーロの崩壊は近い ―― ユーロを救えるのは政治統合だけだ
ジャック・アタリ/元欧州復興開発銀行総裁 | |
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ヨーロッパの連邦予算、ユーロ共通債、各国の予算についての厳格な調整に向けて、今後12ヶ月間に進展がなければ、ユーロは消失し、ドイツでさえもユーロから離脱するだろう。・・・だが、欧州経済よりも、アメリカ経済のほうがはるかに深刻な状態にある。かりにアメリカが欧州連合のメンバーだとすれば、アメリカの危機は、イタリアの危機以上に深刻な状態にあり、レベルでみれば、イタリアとギリシャの間にある。アメリカは先進国のなかでは最悪の経済状態にあるし、日本と比べてさえ、さらに劣悪な状態にある。但し、相対的には衰退していくとしても、今後もアメリカは長期にわたってナンバーワンの座を維持していくはずだ。とはいえ、アメリカは自国のためにも、世界のためにも統治を改善する必要がある。 | |
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フォーリン・アフェアーズ・アップデート イギリスの暴動と緊縮財政路線 ―― 緊縮財政と階級政治の政治学 マティアス・マタイス/アメリカン大学准教授
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2011年夏、イギリスの複数の都市で起きた暴動の背景には、財政・債務危機と政府の緊縮路線に対する反発があった。暴動は、緊縮財政路線への不満と階級政治が重ね合わせられた結果の社会反乱であり、その構図は、30年前にイギリスで起きた暴動を彷彿とさせる。当時のサッチャー首相はこの危機に強硬な治安対策で対処した。その後、小さな政府を目指すネオリベラリズム路線が消費の拡大をもたらし、経済を浮遊させたことで、最終的に危機は克服された。だが、いまは消費の拡大など望みようもない状況だ。政府は銀行救済のために介入したが、貧困層への救済策はとらなかった。それどころか、福祉と社会保障プログラムを打ち切らざるを得なくなった。イギリスが陥っている事態は、他の諸国にとっても他人(ひと)事ではないだろう。結局のところ、大きな社会格差、低成長、そして緊縮財政はイギリスに特有のものではない。いまや主要先進国を含む、多くの諸国が似たような状況に直面しているのだから。 | |
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CFRインタビュー 食糧危機、ドル安、 金融危機に翻弄される人道援助 ローリー・ギャレット/米外交問題評議会グローバルヘルス担当シニア・フェロー | |
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飢饉がアフリカ東部を襲っている。緊急食糧支援、人道支援が切実に必要とされているにも関わらず、支援は多くの障害に遭遇している。穀物価格が急激に上昇しているだけでなく、援助が通常ドル建てで行われるために、昨今におけるドル安ゆえに、同じドルで調達できる穀物の量が少なくなっている。これまで人道的危機に大規模な援助をしてきたイタリア、スペイン、ポルトガル、ギリシャ、アイルランドなどは、国が破綻するのを避けるために対外援助を打ち切らざるを得ない状況に追い込まれている。しかも、武装勢力が人道支援活動を阻む障害を作り出している。これらはすべて、アフリカの角地域でかつてなく大規模な飢饉が起きているにも関わらず、食糧援助の対象にできる人々の数が大きく減少していることを意味する。問題は、こうした複合危機解決の糸口が見えないことだ。・・・ | |
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CFRミーティング 世界経済とIMFの課題と機会 ―― ソブリン危機、低成長、社会不安の増大
クリスティーヌ・ラガルド/IMF専務理事 | |
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米財政を左右する医療保険制度改革 ピーター・R・オルザック/シティグループ グローバルバンキング担当副会長 |
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現在から2050年までに、連邦政府の医療関連支出はGDPの5・5%から12%以上にまで増大し、財政を大きく圧迫する。国際社会におけるアメリカのポジションは、この医療コストの爆発的な増大をうまく管理できるかどうかに左右される。この問題をうまく管理できなければ、アメリカは厳しい財政危機に直面するか、医療部門以外への投資能力を失う事態に追い込まれる。医療制度を根本的に見直し、エビデンスと医療の質に基づき、医師を含む医療プロバイダーがより良いツールを患者に提供し、医療の価値と質を高めるインセンティブを持つような医療制度を形作る必要がある。現在の医療保険制度改革がうまく機能すれば、2028年以降は医療改革法によって連邦政府の医療支出全体が少しずつ減少し始める。だが、そこにたどり着くには、非常に困難で複雑なプロセスをクリアしていかなければならない。 |
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フォーリン・アフェアーズ・アップデート 歳出削減が変える米防衛戦略 マイケル・マンデルバーム/ジョンズ・ホプキンス大学ポール・ニッツスクール教授 |
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CFRインタビュー 紛争介入戦略の終わり ―― 予算削減に応じた対外コミットメントの見直しを
リチャード・ベッツ/米外交問題評議会非常勤シニア・フェロー |
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おそらく国防予算に大なたが振るわれるのは避けられない。われわれの軍事的なコミットメント、能力、資源、戦略をバランスのとれたものにしなければならない。予算を削減しなければならないのなら、バランスをとるためにコミットメントを引き下げるしかない。アメリカは常設軍を持っていなかった第二次世界大戦前の状況へ回帰していくべきだろう。訓練、研究・開発、組織構造、メンテナンスを重視し、状況が変わり、世界情勢が悪化した場合には、戦力増強のベースになるこれらの軍事インフラを用いて、戦力を迅速に動員していくやり方に切り替えていくべきだ。特に、高度な先端技術を用いた戦闘機、戦艦、大規模な兵器システムの導入には慎重でなければならない。われわれの軍事技術領域における優位を可能な限り維持するために、研究・開発は続けるべきだが、国際情勢が悪化し、先端兵器が必要になるまでは、そうした兵器を大規模に配備すべきではないだろう。 |
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欧州によるスマート・ディフェンスを提唱する ―― 緊縮財政時代の大西洋同盟
アナス・フォー・ラスムセン/NATO事務総長 |
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冷戦終結以降、NATOに加盟するヨーロッパ諸国は防衛支出を約20%削減している。一方、軍事予算のレベルを大幅に引き上げている新興市場大国は、欧米と必ずしも利害認識を共有していない。つまり、そこにあるのは、グローバル秩序に利害を共有するプレイヤーの数がかつてなく増えているにも関わらず、それを擁護していこうとするプレイヤーの数が少なくなっているという皮肉な現実だ。私が提唱する「スマート・ディフェンス」とは、他国と協力し、より柔軟な路線をとることで、これまでよりも少ない予算で安全保障を維持していく防衛態勢だ。防衛費を増やすかどうかではなく、それをいかにスマートに用いるかで今後は左右される。多国間アプローチを模索し、大西洋同盟の戦略志向を強め、グローバル化が作り出した安全保障問題を管理していくために新興国と協力する必要がある。ヨーロッパ防衛により一貫性をもたせ、大西洋の絆を深め、他のグローバルアクターとNATOの関係を強化していくことこそ、経済危機が安全保障危機を招き入れるのを阻止する唯一の方法だろう。 |
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CFRインタビュー 企業の知的財産を盗み出すサイバーセフトの衝撃
ドミトリ・アルペロビッチ/マカフィー 脅威研究担当副社長 |
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サイバー空間でのスパイ活動、そしてサイバーセフト(経済・金融情報の窃盗)がかつてない規模で行われている。膨大な経済情報や知的財産が企業から盗み出されて、ライバル国、あるいは潜在的敵国の経済にそのまま利用されている。この状況が、過去6年、あるいはそれ以上にわたって続いている。いまやその脅威は、国家レベルの経済繁栄を脅かすほどに大きくなっている。スパイ活動やサイバーセフトは経済のすべてのセクターで横行している。・・・現状を放置すれば、国の経済の存続を左右する深刻な脅威になり、経済全体が破壊されかねない。問題は、サイバースパイやサイバーセフトの被害にあっても、企業が事件の公表をためらっていることだ。 |
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ノルウェーのイスラム教徒 ―― 脅かされるイスラム教徒と多文化主義
ショアイブ・サルタン/前ノルウェーイスラム評議会事務局長 |
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イスラム・コミュニティのノルウェー国内における成長がノルウェー社会の緊張を高めていた。近年では、男児の割礼、イスラムの教えに従った食肉処理、女性がまとうヒジャブなど、イスラムの伝統と習慣が国内で実践されていることに対する懸念と反発が高まっていた。ノルウェー人にとって異質な、これらイスラム的習慣に対する懸念と反発に右派政党は目を付け、「ノルウェーの生活様式がイスラムによって浸食されている」と主張し、社会を反イスラムへと扇動した。しかも、イスラム批判は、次第にノルウェーの多文化主義批判へと姿を変えていった。この社会環境のなかで起きたのが、アンネシュ・ブレイビクが決行した反イスラムテロだった。・・・ |
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