|
|
|
| |
フォーリン・アフェアーズ・アップデート
3・11は日本をどう変えていくか
マイケル・グリーン/戦略国際問題研究所(CSIS)日本部長
|
|
| |
日本が復興への道をたどり始める第一局面までは現政権が職責を維持するのかもしれない。だがこの局面を過ぎれば、日本の市民は指導者に対してこれまでとは異なるレベルの政治手腕を求めるようになるだろう。民主党、自民党を問わず、若手の閣僚や政治家たちは、地震とツナミ災害後、決意を示すとともにバランス感覚を発揮し、従来の政治家とは一線を画す行動をみせ始めている。歴史的にみても、日本では危機に直面すると、狼狽している長老政治家を尻目に若手が大胆な行動をみせる下克上によって時代が形作られてきた。いまや日本は、そのような時代を再び迎えつつある。・・・災害に襲われ苦難のなかにあるとはいえ、高い志をもつ若手の政治家世代が自分たちの出番を待っていることを忘れてはならない。 |
|
|
|
|
| |
CFRインタビュー
アフター・フクシマ
― フクシマ原発事故の教訓
ジョン・エイハーン/前米原子力委員会委員長 |
| |
フクシマ原発危機がいまも収束しないために、広く原発施設に対する不安と懸念が高まりつつある。実際、フクシマ原発がどのような状態にあるかは、いまもはっきりとしない。米原子力委員会のジョン・エイハーン前委員長によれば、フクシマ原発の「使用済み核燃料がどのような状態にあるかは依然として確認されていないし、ましてや、原子炉内の核燃料がどのような状況にあるかはわかっていない」。当然、「危機を管理できる状態にもっていくには、まだかなり長い時間がかかる」。チェルノブイリ原発事故、スリーマイル島原発事故以降、それぞれの事故を阻止するためにはどのような措置をとっておくべきだったかについて結論を出すには、数年の時間を要した。フクシマの原発事故についても、今後の対策に向けた結論が出るのはかなり先の話になる。だが、あらゆる設計上の規制を満たしているかどうかを検証する必要があるし、規制をいかに適切に進化させ維持していくかを考えることが絶対的に必要だ。
|
|
|
|
|
| |
CFRアップデート
フクシマ原発危機のグローバルな余波
― 原子力発電の安全性に高まる世界の不安
|
|
| |
フクシマ原発に壊滅的ダメージを与えた地震とツナミは、世界における原子力エネルギーへの関心の高まりに一気に冷水を浴びせかけた。相対的に生産コストは高いが、二酸化炭素をほとんど排出しない点が評価されてきた原子力による電力生産も、フクシマでの原発危機をきっかけに、安全基準や危機管理対策への再検証が進められ、原発推進計画そのものが見直されつつある。ドイツは、7基の(旧式)原子炉を閉鎖しただけでなく、2020年まで他の原子炉の使用期間を延長する計画のすべてを凍結した。イタリアも原子力開発のモラトリアムを延長し、他のEU諸国も原子力発電計画の見直しを行っている。専門家のなかには、「原子力が危険なテクノロジーであることが再認識された以上、いくらその安全性をエネルギー政策の会議で説いたところで、人々は納得しない」と明確に指摘する者もいる。たしかに、よりすぐれた安全機能や冷却装置を備えている新型の原子炉なら、大気への放射能拡散を引き起こした問題の一部を回避できるかもしれないが、どの程度の耐震機能を持っているかという点では疑問が残る。しかも、原子力は放射能の拡散リスクに加えて、核廃棄物、核兵器拡散のリスクも伴う。地球温暖化に配慮する必要もあるし、新興国の電力需要の増大を考慮しなければならない。今後当面は、ジョン・ダッチが指摘するように化石燃料から再生可能エネルギーへのつなぎエネルギーとして、天然ガス、とくに液化天然ガスが注目されるようになるのかもしれない。
|
|
|
|
|
| |
CFRアップデート
復興を越えた日本経済の再設計を
ブライアン・P・クレイン/元米外交問題評議会国際関係フェロー
デビッド・S・アブラハム/米外交問題評議会国際関係フェロー |
|
| |
かなりの大きな余震が依然として続いているし、被災した数十万の人々が落ち着いた生活を取り戻すには数年の時間がかかるだろう。原発危機もまだ管理できるようになったとはいえない。だが、再建・復興も進められている。経済予測も、ゆっくりとだが地震前の数字へと戻りつつある。だが、必要なのが「復興・再建を越えた取り組み」であることを認識しなければならない。今回の危機を前に、政府は一刻も早く再建・復興を遂げ、かつてのような状態に被災地を戻すことを考えているかもしれない。だが、単に再建・復興を目指すのではなく、今回の危機を、日本経済を再設計する機会とすれば、今後の日本はより大きな繁栄を手にできるようになるだろう。
|
|
|
|
|
| |
フォーリン・アフェアーズ・アップデート
日本は危機を克服し、必ず再生する
クリスチャン・カリル/前ニューズウィーク誌東京支局長
|
|
| |
|
|
|
|
|
| |
フォーリン・アフェアーズ・アップデート
日本の大災害で露呈した
グローバル・サプライチェーンの大きな弱点
マーク・レビンソン/前米外交問題評議会シニア・フェロー(国際ビジネス担当)
|
|
| |
日本での地震とツナミ災害のように、グローバル・サプライチェーンのどこかで予期せぬ事態が起きれば、ここで流れが遮断され、遠く離れたサプライチェーンの次のポイントへの供給が途絶えてしまう。世界でその部品を生産しているのが、予期せぬ事態に遭遇した地域の企業だけだったとすれば、話はさらに複雑になる。最終製品を市場に送り出す企業も身動きがとれなくなる。多くの人は、これまでにシリコンウエハーやメモリチップを生産してきた工場が日本での災害によって機能停止に追い込まれていることに注目しているが、他にも、供給が不足している一般には認識されていない重要部品は数多くある。
|
|
|
|
|
| |
ワールド・エコノミック・アップデート
不透明感漂う日米欧経済
― 災害後の日本経済
ピーター・R・フィッシャー /ブラックロック債券部門シニア・マネージング・ディレクター デスモンド・ラックマン/アメリカンエンタープライズ研究所公共政策研究フェロー
ピーター・R・オルザック/外交問題評議会非常勤シニア・フェロー ) |
|
| |
日米欧は非常に対応の困難な長期的財政問題を抱えている。政治状況ゆえにさらに厳しい状況になるまで対応策を決められずにいるのは、基本的にすべての先進諸国に共通する現象だ。(P・オルザック)
欧州で危機に直面している国々はいずれユーロから離脱し、債務不履行を宣言せざるを得なくなる。これには疑問を差し挟む余地がない。そうなるかどうかではなく、問題はいつそうなるかだ。緊急融資を利用して問題を先送りできるかもしれないが、問題を解決することにはならない。(D・ラックマン)
日本経済が脆弱であることをすでに認識している中央銀行が量的緩和を実施するのは適切な処置だが、経済再建は期待できない。経済成長を軌道にのせることにはならない。(P・フィッシャー)
|
|
|
|
|
| |
中東における2011年革命のルーツと行方
― スルタン体制の終焉
ジャック・A・ゴールドストーン/ジョージメイソン大学教授
|
|
| |
ムバラク、ベンアリのような中東におけるスルタン主義の独裁者は、個人の権力と権限を維持していくことにしか関心はない。従順な支持者を主要ポストに据え、制度の頭越しに政治を行う。水面下で富を蓄え、この資金を用いて指導者への忠誠を買う。いかなる形で国に資金が流れ込もうと、そのほとんどは、スルタンとその仲間内の懐へと流れ込む。軍を分裂させて、軍事エリートを自分の管理下に置く。だが、スルタン主義独裁制の下で、経済が成長し、教育制度が整備されてくると、状況に不満を抱き、「こうあるべきだ」と考える人が増え、警察による監視体制や権力乱用に対する反発も大きくなる。民衆を手なずけることを目的に体制側が実施してきた補助金その他のプログラムのコストが上昇すれば、大衆を政治から遠ざけておくのは難しくなり、軍の一部も状況への不信感を強める。これが中東革命の背景だった。これからどうなるか。スルタン体制の歴史をひもとけば、今後の展開が、考えられているよりも明るくも暗くもないことがわかるだろう。
|
|
|
|
|
| |
CFRインタビュー
中東の構造的変化に目を向けよ
― 自由と権利を求め始めた民衆
エドワード・P・ジェレジアン/元駐シリア、駐イスラエル米大使 |
|
| |
チュニジアやエジプトの民衆が「もうたくさんだ」というスローガンを掲げたことが中東の現状をうまく現している。政治的権利、社会経済的権利を奪われ、雇用も創出されない状況に人々は「もうたくさんだ」と変化を求めた。さらに、政府の腐敗、富裕層と貧困層の間の巨大な富の格差にも人々は激しい憤りを感じていた。民主主義の価値からみても、われわれは民衆が作り出している歴史的潮流の側につく必要がある。だが、中東は多様であり、相手国の特性を考えた上でアプローチを区別する必要もある。チュニジアとエジプトはバーレーンとは違うし、バーレーンはシリアとも違っている。そして、これらの諸国とリビアに共通点はない。中東へのアプローチを一つの枠組みでとらえることはできない。例えば、ホルムズ海峡に近いバーレーンに対しては経済安全保障の視点も必要になるし、リビアについても、われわれはまず反体制派の実体を見極める必要がある。
|
|
|
|
|
| |
CFRミーティング
ソーシャルメディアと民主化革命を考える
― エジプトとリビアの違いにどう対処すべきか
クレイ・シャーキー/ニューヨーク大学教授
アン=マリー・スローター/前国務省政策企画部長
ギデオン・ローズ/フォーリン・アフェアーズ誌編集長
|
|
| |
それまでは分散し、相互につながりを持たなかった人々が、ソーシャルメディアをつうじて自分たちの意見を同期化し、行動を調整し、その結果を記録できるようになった。チュニジアやエジプトでの革命、リビアの反体制派、イエメン、バーレーンの民衆の行動は明らかにこのパターンに当てはまる。(C・シャーキー)
「インターネットの自由」が、必ずしも民主主義とのつながりを意図しているわけではない。それは「インターネットにアクセスする自由」、「知識と情報にアクセスする自由」、そして「社会の内側、外側の人々とつながる自由」のことを意味する。(A・M・スローター)
|
|
|
|
|
| |
CFRミーティング
モバイル革命のこれまでとこれから
ランドール・L・スティーブンソン/AT&T最高経営責任者
|
|
| |
「6〜7年前まで、多くの人は私同様に、机の上にパソコンを置いていたはずだ。あなたの秘書の机の上にもPCがあった。出張に出かけるときはノートパソコンをバッグに入れ、ポケットには携帯電話を、ズボンの後ろポケットにはブラックベリーを入れていた。そしてスマートフォンが登場する。今では、これまでの複数のデバイスに分散していたさまざまな機能が(スマートフォンという)一つのデバイスに統合されている。さらに重要なのは、これらのデバイスのコンテンツを同期化できるようになったことだ。連絡先、Eメール、カレンダーを連動させられるようになった。ここからどこへいくのか。・・・・これから先に起きるのは、まさしく今から6〜7年前に起きたことだ。再び、デバイスの多様化が始まる。・・・・」(R・L・スティーブンソン)
|
|
|
|
|
| |
米ポピュリズムの歴史と今日的意味合い
― ティーパーティー運動が揺るがすアメリカの政治と外交
ウォルター・ラッセル・ミード /アメリカン・インタレスト誌コントリビューティング・エディター
|
|
| |
ポピュリストの政治的エネルギーが高まる一方で、主流派メディア、外交エスタブリッシュメントに始まり、金融企業、一般企業の経営陣、そして政府にいたるまでの確立されたアメリカの組織への信頼が失墜しつつある。現在のポピュリスト運動の代名詞であるティーパーティー運動は、彼らが「憶測を間違え、腐敗しているとみなす各分野の専門家に対する反乱とみなせる。しかも、2010年3月にアメリカで実施された世論調査では、回答者の37%がティーパーティー派を支持すると答えており、これは、少なくとも1億1500万のアメリカ人がティーパーティー運動になんらかの共感を示していることを意味する。アメリカの政策決定者、そして外国政府の高官たちは、アメリカ政治における主要な勢力であるポピュリストを十分に理解せずして、もはや米外交に関する適切な判断を下すことができなくなっていることを認識する必要がある。
|
|
|
|
|
| |
中国の台頭と米中衝突のリスク
― バランスを維持するには日韓との同盟関係は 維持し、台湾は手放すべきだ
チャールズ・グレーザー/ジョージ・ワシントン大学教授
|
|
| |
中国の台頭はたしかに危険をはらんでいるが、それが伴うパワーバランスの変化によって覇権競争が起きて米中の重要な国益が衝突することはおそらくない。核兵器、太平洋による隔絶、そして現在比較的良好な政治関係という三つの要因のおかげで、現在のアメリカと中国はともに高度な安全保障を手にしており、あえて関係を緊張させるような路線をとることはないだろう。米中間の緊張の高まりを抑えつつ、地域バランスを維持するには、事態をやや複雑にするとはいえ、ワシントンはアジアでもっとも重要なパートナーである日本と韓国に信頼できる拡大抑止を提供し、一方で、台湾防衛のような最重要とは言えないコミットメントについては従来の政策を見直し、アメリカは台湾から手を引くことも考えるべきだろう。何よりも、アメリカは中国の影響力と軍備増強によって生じるリスクを過大視し、過剰反応しないようにする必要がある。
|
|
|
|
|
| |
世界が注目するインドの軍備市場とアメリカのジレンマ
スニール・ダスグプタ/ブルッキングス研究所非常勤フェロー
ステファン・P・コーヘン/ブルッキングス研究所非常勤フェロー
|
|
| |
インドが100億ドルから120億ドルをかけて調達する予定の126機の多目的戦闘機の契約をどの国が勝ち取るのか。いまやインドの軍備市場が世界各国から大きな注目を集めている。ボーイング、ロッキード・マーチンだけでなく、フランス、スウェーデン、ロシアの軍需企業が契約受注を求めて名乗りを上げている。この契約を勝ち取った国は、将来における契約受注上の大きな優位を手にする。それらの戦闘機がインドで使用される限り、そのメンテナンスやサポートを一手に引き受けることになるからだ。だが、話は簡単ではない。インドは軍備調達した兵器を支える技術移転を求めているし、仮に、米企業がこの軍備調達契約を受注し、米印関係が一気に強化されれば、南アジアの戦略バランスに悪影響が出る恐れもある。アメリカの目的であるパキスタン、アフガニスタンの安定にマイナスに作用する危険がある。・・・・
|
|
| |
|
|
| |
|
|
| |
|
|
| |
|
|