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H・キッシンジャーが分析する中国の台頭
ヘンリー・キッシンジャー/キッシンジャー・アソシエーツ会長 |
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「私はアジアにおける新しい秩序の均衡が必要だとみているし、この均衡の一翼をアメリカが担いたいのなら、対中冷戦を再現するのではなく、協調路線をとるほうが賢明だろう。……ワシントンが中国の台頭のペースを弱めるような措置をとれば、中国人はアメリカのことを自分たちの国家目標を実現する上で最大の障害とみなすようになる。アメリカはこのようなリスクをあえて引き受けるのか。……中国はいずれアジアにおける大国になる。そして、世界政治の重心は大西洋から太平洋へとシフトしていく。これが現実だ」。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。邦訳文は英文からの抜粋、全文はwww.cfr.orgからアクセスできる。
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指針なきアメリカの対中政策
エリザベス・エコノミー/米外交問題評議会シニア・フェロー |
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中国企業による米石油企業の買収提案をめぐってワシントンで大きな騒ぎが起きたのは、基本的に「中国の台頭が今後どのような軌道をたどるのか」についてワシントンが展望をもっていないことの証拠だとエリザベス・エコノミー(米外交問題評議会シニア・フェロー)は状況を分析する。また、中国は大規模な不良債権、労働争議、政府の腐敗などの構造的な問題を抱えていると指摘するエコノミーは、何よりも政治改革の遅れが中国民衆の不満を増幅させていると示唆した。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。
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中国の台頭を検証する
(FAJブリーフィング) |
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中国が、「各国との経済の相互依存関係を戦略的に構築して、大国としての地位を得ようとしていること」に注目している専門家は多い。「北京は、中国の利益にならないことを他国が経済的悪影響を恐れてできなくなるような環境をつくりたいと考えており、……これこそソフトパワーを意識した、中国の新しい対外影響力の形なのかもしれない」とファリード・ザカリアは指摘している。急成長する中国との経済相互依存を深めつつ、協調と抑止のバランスをいかに保ち、東アジア秩序、そして世界秩序の安定を維持するのか。以下は、最近のフォーリン・アフェアーズ論文、CFRリポート、インタビューなどを基にフォーリン・アフェアーズ・ジャパンでまとめた「中国の台頭」に関するブリーフィング。参考文献については文末を参照。
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中国の軍備近代化努力をどうとらえるか(2003年)
ハロルド・ブラウン/タスクフォース議長 元米国防長官
ジョセフ・プルーハー/タスクフォース副議長 元駐北京米大使 元米海軍提督
アダム・シーガル/タスクフォース・ディレクター、米外交問題評議会シニア・フェロー |
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米国防総省は、2005年7月中旬に中国の軍事動向に関する年次報告書を議会に提出し、その内容が大きな話題になっている。今回のペンタゴンの報告と、「日本が今後も主要な地域的軍事パワーになることを選択せず、北京が現在の軍事力近代化路線を維持すれば、20年後の中国は、東アジアにおける支配的な軍事力を確立している」と予測した03年5月の米外交問題評議会の中国の軍事力に関するタスクフォース・リポートの指摘は多くの部分で重なり合っている。ペンタゴンの報告に目新しい部分があるとすれば、「かりに中台紛争に米軍が介入してきても、互角に戦っていけるだけの戦力を整備すること」を、中国側の軍事力近代化努力の意図として強調している点だろう。
邦訳文は、中国の軍事力に関するCFRタスクフォース・リポートに関する討論及びレポートの論点のまとめ。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。
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アブドラ新国王のサウジアラビア
レイチェル・ブロンソン/米外交問題評議会中東及び湾岸研究ディレクター
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「国王となったアブドラは、今後、社会、経済改革にさらに熱心に取り組んでいくことになるだろう。改革に反対する王室の一部の抵抗にあうだろうが、国王としての権限が今後はものを言うことになる」。ファハド国王の死後、新しくサウジアラビア国王となったアブドラ国王の政治をこう予測するレイチェル・ブロンソンは、アブドラのほうが他の異母兄弟たちよりも、「敬虔で、腐敗していない」と考えられているし、改革に前向きであると指摘する。しかし重要なのは、「アブドラ国王が、高齢のスルタン皇太子の後継皇太子を誰に決めるか」であるとし、初代国王の孫の世代への王位継承問題を今後の重要な課題として強調した。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。邦訳文は英文からの抜粋・要約。全文はwww.cfr.orgからアクセスできる。
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イラク新憲法の行方
(CFRブリーフィング) |
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イラク憲法起草委員会は8月29日に暫定国民会議に最終的な憲法草案を提出したが、連邦制、イスラム教の政治、法律的な役割の詳細をめぐっては、民族・宗教集団間に依然として対立がある。しかも、10月に予定されている国民投票をめぐって、スンニ派、シーア派、クルド人というイラクの主要勢力のすべてが事実上の拒否権をもっている。イラクの制憲プロセスは依然として流動的であり、今後も各集団は自らの武装組織を保有し続ける可能性が高く、かりに憲法が成立しても、武装抵抗勢力の活動が下火になっていくとは考えにくい。邦訳文は英文からの抜粋・要約。全文はwww.cfr.orgからアクセスできる。
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競争を阻害する反ダンピング法の弊害
N・グレゴリー・マンキュー/元米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長
フィリップ・L・スワジェル/元CEA首席補佐官 |
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現在の反ダンピング法は、この法律が阻止しようとする、競争を妨げるような不公正な行動を逆に助長している。アメリカの反ダンピング法が、外国企業による低価格路線には、市場競争によるものと、略奪的価格設定によるものの2タイプがあることを区別しなくなったからだ。低価格が、略奪的価格設定ではなく、健全な市場競争の結果であることも多いし、「公正な価値」以下の価格での販売を法律で禁止すれば、市場競争の結果、消費者が手にできるはずの恩恵を奪い取ってしまう。反ダンピング法は、特殊利益が、アメリカの消費者と企業を犠牲にして、自分たちを競争から守るための言い訳とされている。
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イスラエル撤退後のガザの課題
(CFRブリーフィング) |
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「イスラエルのガザ撤退計画とは?」「撤退プロセスは誰が管理しているのか?」「イスラエル撤退後のガザ地区はどのような経済的課題に直面するか?」「イスラエル軍撤退後の治安はどうなるのか?」など。
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重要なのは撤退後のガザがどうなるかだ
デニス・ロス/近東政策ワシントン研究所フェロー |
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「パレスチナがイスラエル撤退後のガザでうまく自己統治できれば、『ガザでうまくやれたのだから次は西岸でも』と言えるようになる。だが、ガザでパレスチナ人が失敗すれば、困難な状況に追い込まれる。つまり、今起きているのは大きな流れの始まりに過ぎない」。米国務省高官としてイスラエル・パレスチナの和平交渉の多くを担当したデニス・ロスは、アメリカが介入して、平和のための架け橋をつくらない限り、ガザ撤退後には、イスラエルとパレスチナ間に手詰まり状況が生まれると語り、アメリカをはじめとする主要国のパレスチナ自立への支援をつうじて、ガザからの撤退をロードマップ和平につなげていく必要があると語った。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。
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鳥インフルエンザの脅威は本物か?
(CFRディベート) |
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恐怖をあおる間違った警告
マーク・シーガル/ニューヨーク大学医学部助教授
鳥インフルエンザの脅威を示すこれだけの理由
ローリー・ギャレット/米外交問題評議会シニア・フェロー
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新型インフルエンザへの対策づくりを急げ
マイケル・T・オスタホルム/米感染症研究対策センター(CIDRAP)所長 |
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H5N1ウイルスの脅威への市民の無関心が、恐怖へと変わってから予防策や管理策を実施しても意味はない。世界で「1億8000万〜3億6000万人」が犠牲になる恐れのある新型インフルエンザが猛威を振るいだすのが今夜なのか、1年後なのか、10年後なのかはわからない。だが、その日は間違いなく近づいてきている。新型インフルエンザの大流行そのものを回避することはできないが、その衝撃を緩和することならできる。われわれは歴史的に重大な岐路に立たされており、断固たる決意と目的をもって今行動を起こす必要がある。
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国家安全保障アジェンダとしての感染症
――HIV・エイズからの教訓
ローリー・ギャレット/米外交問題評議会シニア・フェロー |
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アフリカやロシアなど、HIV・エイズがもっとも猛威を振るっている地域では、社会の安全と安定の擁護者であるべき兵士や警察官たちのエイズによる死亡者が増え続けており、その感染率sは一般社会の比率よりも高い。今後ますます多くの兵士、警察官の命が奪われていけば、国の法と秩序そのものが深刻に脅かされることになる。世界各国がHIV・エイズの問題を国家安全保障にどのように位置づけるかで、この感染症が強いる壮大な規模の悲しみ、人口構成バランスの崩壊、安全保障上の脅威にどの程度うまく対処できるかが左右される。
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ヨーロッパで誕生する新ジハードの戦士
ロバート・S・レイケン/ニクソン・センター・移民・国家安全保障プログラムディレクター |
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アルカイダがテロ要員のリクルートの標的にしているのは、ヨーロッパのイスラム系移民の二世たちだ。ヨーロッパのカフェ、簡易礼拝堂、イスラム系書店、刑務所、学校でのイスラム過激派との出会いによって、イスラム系移民の子どもたちが感化され、西洋に対するイスラム聖戦へと身を投じている。すでにオサマ・ビンラディンはヨーロッパ内の数多くのテロネットワークに戦略的指針を与え、活動を鼓舞している。こうしたテロネットワークは特定の任務のために集合し、プロのテロリストと訓練生のなかから実行グループを編成してテロを遂行し、その後解散しては新たな任務の下に再結成するというパターンを繰り返している。
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今月のフォーリン・アフェアーズから ヨーロッパの異邦人とイスラム過激派の出会い |
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「子どもたちに教育の機会を与えようと異国に移住した親たちは、結局、子どもたちとの絆を失ってしまった」。シンガポールの政治指導者リー・クアンユーは、1960年代にオーストラリアに移住した中国系マレーシア人の家庭で起きたアジアの伝統的価値を重んじる親と、英語で教育を受け、両親とは異なる西洋的価値観をもつようになった子どもの間の世代断絶をこう嘆いた。
雇用、高賃金、子どもや自分の教育の機会を求めて、あるいは、政治的、宗教的、民族的弾圧から逃れようと、いつの時代にも人は国境を越えて移動してきた。だが、新しく異質な環境のもとで暮らすようになると、新しい文化や価値観と、母国の伝統的文化や価値観の間の矛盾に苦しむことも多い。
第二次世界大戦後には、イスラム世界からヨーロッパの旧宗主国へと大規模な人の移動が起きた。フランスへ向かったアルジェリア人、スペインへ向かったモロッコ人、オランダへ向かったインドネシア人、そしてイギリスへ向かったパキスタン人。彼らは、戦争で疲弊したヨーロッパの経済再建のために招き入れられたイスラム系労働者だった。だが、ヨーロッパに向かったイスラム系移民の多くは、新天地で経済的に成功できずに、故郷のことを常に思いながら、ヨーロッパの片隅で貧しい生活を送ることになる。
ヨーロッパで生まれ育ったイスラム系移民2世も、オーストラリアへと移住したマレーシア系移民の子ども同様に、西洋の言語を流暢に話すようになるが、イスラム系移民2世は、大きな社会的壁の存在を感じるようになる。彼らの一部は、親の世代の穏健なイスラム的価値観だけでなく、ヨーロッパの価値観や文化も拒絶し、自らのアイデンティティーが何であるかを深く悩むようになる(注1)。
リー・クアンユーが指摘するように、例えば、90年代のアジアのように経済成長が急激な近代化をもたらせば、異国ではなく、母国で暮らしている場合でも、人々の価値観は混乱する。近代化による新しい価値と伝統との衝突が起きると、自らのアイデンティティーを宗教や民族に重ね合わせる人々も出てくる(注2)。とすれば、親の世代の文化的伝統にもヨーロッパの価値観にもなじめず、貧困のなかで、自らのアイデンティティーに苦悶するイスラム系移民2世が、親の世代とは違う、より純度の高いイスラム原理主義に魅了されるとしても不思議はない。
そこに魔の手が待ち受けていると、ロバート・S・レイケンは指摘する。
サウジアラビアの資金援助を受けている過激派イマームを含む「アウトサイダー」が、ヨーロッパの価値観にも親の世代の文化的伝統にも不満を募らせる移民2世という西洋の「インサイダー」をテロリストとしてリクルートしようと、ヨーロッパでモスクを立ち上げて新ジハードの戦士のリクルートを行っている。イスラム過激派は犯罪組織や刑務所などの地下組織と接触しているだけでなく、「ヨーロッパのカフェ、簡易礼拝堂、イスラム系書店、学校で」イスラム系移民2世をリクルートしている、と。
一方、フランスを例外とするヨーロッパ諸国の多くは、リベラルな思想の下で、移民の文化や宗教を受け入れる多文化主義をとってきたが、レイケンによれば、ヨーロッパでは「そうした多文化主義が結果的にテロを増幅させてしまった」という認識が高まり、リベラリズムと多文化主義のなじみが悪くなってきている。「キリスト教が衰退し、世俗主義とイスラム教が台頭するなか」、ヨーロッパはいかにして社会の凝集力を保っていくのかと彼は問いかける(「ヨーロッパで誕生する新ジハードの戦士」)。
テロが現象である以上、テロ集団を対象とする軍事作戦だけではモグラ叩きに終わる。現象を作り出す社会背景を改善していかないことには、テロ問題を管理できるようにはならない。アメリカは、対テロ戦争を戦うだけでなく、すでに中東の民主化という名の下、テロを育んだ中東の抑圧と貧困の緩和への地道な取り組みを始めている。マドリード、そして今回のロンドンでのテロを経たヨーロッパは、今後、外からのイスラム過激派の侵入を阻止するだけでなく、内なる移民コミュニティーのヨーロッパ社会への同化という遠大な課題に直面することになる。●
(竹下興喜 フォーリン・アフェアーズ・ジャパン)
注1 "EUROPE:Integrating Islam", by Esther Pan, staff writer,
www.cfr.org
注2 Fareed Zakaria, "A Conversation with Lee Kuan Yew,"
Foreign Affairs, March/April 1994.
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「フォーリン・アフェアーズ」ブックレビュー |
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Reviewed by ジョン・アイケンベリー/プリンストン大学教授
The World is Flat: A Brief History of the Twenty-First
Century BY THOMAS L. FRIEDMAN.
Reviewed by ルシアン・パイ/マサチューセッツ工科大学政治学名誉教授
Divided Korea: Toward a Culture of Reconciliation
BY RONALD BLEIKER.
Rogue Regime: Kim John Il and the Looming Threat of
North Korea. BY JASPER BECKER.
The Changing Face of China: From Mao to Market. BY
JOHN GITTINGS. Dangerous Strait: The U.S.-Taiwan-China
Crisis. Edited by NANCY BERNKOPF TUCKER.
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