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   2012年2月29日更新
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炭素繊維、「インテグレーティブ・デザイン」と再生可能エネルギーを組み合わせよ
――石油も石炭も原子力も必要のない世界
(3月号プレビュー)


新しい日本のエネルギー政策と産業を考える
(2012年3月

「災害を経ても、日本は依然として経済的にも技術的にも素晴らしいものをもっているが、政治が無力な上に不安定で、しかも電力の供給が安定していない。そんな国にあえて投資する者がいるだろうか」。最近会ったある外国人投資家の言葉だ。電力供給リスクを別にしても、国債の暴落リスク、市場にペナルティを課されるリスク、産業空洞化リスク、高齢社会と社会保障リスクを抱えている。どうみても、日本は袋小路に追い込まれつつある。特に経済活動を支える電力の不足は、経済活動を停滞させるだけに、ここに指摘した他のすべてのリスクにネガティブに作用する。・・・(FAJ)


超素材、「インテグレーティブ・デザイン」と
再生可能エネルギーを組み合わせよ

―石油も石炭も原子力も必要のない世界

(2012年3月号

アモリー・B・ロビンス/ロッキーマウンテン研究所議長

1ドルのGDPを生産するのに必要なエネルギー量が小さくなっていること、つまり、エネルギーの使用効率が改善していることが、現在のエネルギーシフトを支えている。・・・2050年までには、石油も石炭も原子力も必要とせず、天然ガスの消費量も現在の3分の2程度で済む時代が実現する。・・・自動車、建物、そして電力生産の効率をいかに高めていくかがこの変化の鍵を握る。・・・電力供給システムをより多様で分散した再生可能エネルギーを中心としたものへと近代化し、スマートグリッドで電力生産の空白をバックアップし、一方で独立した「マイクログリッド」を導入すれば、・・・電力供給をよりクリーンかつ安全で信頼できるものにできる。石油も石炭も原子力も必要としない世界へのエネルギーシフトを、炭素繊維などの超素材や「インテグレーティブ・デザイン」の導入による車や建物のエネルギー使用効率の改善、そして、再生可能エネルギーの生産上の空白を埋めるスマートグリッドと独立型の「マイクログリッド」で実現できる。


原発リスクか地球温暖化リスクか
(2011年11月号
アーネスト・モニズ/マサチューセッツ工科大学物理学教授

温室効果ガスが大気に蓄積されていくにつれて、電力をクリーンかつ安価に、しかも信頼できる形で生産する方法を見いだすことが、ますます切実な課題になっている。原子力は魔法の杖ではないが、(二酸化炭素を排出せずに)大規模な電力を生産できることが立証されている以上、フクシマを経た現在もその解決策の一部である。フクシマの教訓を生かして安全性を高めるとともに、建設コストを引き下げ、放射性廃棄物問題を解決しない限り、原子力エネルギーの大きな進展は期待できない。だが、小型モジュール炉(SMR)が実用化されれば、安全性とコストの問題は大きく改善される。SMR、再生可能エネルギー、先端型バッテリー、二酸化炭素回収・貯蔵技術の何であれ、新たなクリーンエネルギー上のオプションを作り出す試みを止めれば、10年後にわれわれは大きな後悔をすることになる。




2012.2.29.更新




「フォルクスワーゲン、BMW、アウディはすべて2013年までに、炭素繊維複合材をボディに用いた車の量産体制に入る計画だ。・・・、自動車メーカーは、炭素繊維と進化した構造的生産プロセス、電気エンジンの進化を組み合わせて生産に応用すべきだろう。これが実現すれば、(ガソリンからの離脱という面で)タイプライターからコンピュータへの移行並みのゲームチェンジャーになる」。(A・ロビンズ) 写真は、炭素繊維をルーフに用いたレクサス・LFA。

関連論文



資源の利用効率改善が育む「新資源」
エモリー・B・ロビンス、L・ハンター・ロビンス
(2001年10月号、3月Subscribers' Only公開予定)

エネルギーの利用効率の改善ペースが石油資源の枯渇ペースを上回り続ければ、いずれ石油は低価格であっても市場で見向きもされない資源になる。利用効率の改善によって節約される資源こそ、もっとも急速に拡大している新しい「資源」だ。
 


クリーンエネルギーの研究・開発、実証実験を多国間で進めよ (2011年1月号)   
マイケル・レビ
エリザベス・エコノミー
シャノン・オニール
アダム・シーガル


エネルギーの未来 ―― 「ベースロードエネルギー」と再生可能エネルギーを組み合わせるしかない  (2011年6月号)
アンヌ・ロベルジョン


日本の原発危機の教訓
―世界は原子力から離脱すべきか、いなか
(2011年4月)
CFR

最近のニュースより

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焦点:太陽光パネル価格の下落、設置業者の統合やコスト低下に (2月20日)
ロイター


帝人:炭素繊維自動車、20年には世界で年100万台に−新市場育成 (12月22日)
ブルームバーグ
2012年3月号の目次はこちら>>
2012年3月号の要旨はこちら>>
2012年2月号の目次はこちら>>

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   2012年2月28日更新
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 原発論争を越えて
論争 石油も石炭も原子力も必要のない世界は実現するか
(3月号プレビュー)


超素材、「インテグレーティブ・デザイン」と
再生可能エネルギーを組み合わせよ

―石油も石炭も原子力も必要のない世界

(2012年3月号

アモリー・B・ロビンス/ロッキーマウンテン研究所議長

1ドルのGDPを生産するのに必要なエネルギー量が小さくなっていること、つまり、エネルギーの使用効率が改善していることが、現在のエネルギーシフトを支えている。・・・2050年までには、石油も石炭も原子力も必要とせず、天然ガスの消費量も現在の3分の2程度で済む時代が実現する。・・・自動車、建物、そして電力生産の効率をいかに高めていくかがこの変化の鍵を握る。・・・電力供給システムをより多様で分散した再生可能エネルギーを中心としたものへと近代化し、スマートグリッドで電力生産の空白をバックアップし、一方で独立した「マイクログリッド」を導入すれば、・・・電力供給をよりクリーンかつ安全で信頼できるものにできる。石油も石炭も原子力も必要としない世界へのエネルギーシフトを、炭素繊維などの超素材や「インテグレーティブ・デザイン」の導入による車や建物のエネルギー使用効率の改善、そして、再生可能エネルギーの生産上の空白を埋めるスマートグリッドと独立型の「マイクログリッド」で実現できる。


日本の原発危機の教訓
―世界は原子力から離脱すべきか、いなか

(2011年4月

「魔法の杖のような(原子力に代わる)代替策が存在することを夢見ても、人々が暮らす住宅の空調を動かす電力を提供で きるようになるわけではない。行くべきところへわれわれを導いてくれるわけではないし、雇用を提供する生産活動を支えられるわけでもない」。 ・・・世界が原子力による電力の生産と使用を現状レベルで凍結し、これ以上の増産をしなくなればどうなるか。そのギャップを 埋めるために、2035年までに再生可能エネルギーの生産を倍増しなければならない。今後、世界が原子力による電力生産を完全に断念すれば、再生可能エネルギーの生産量を3倍に増やさなければならない。・・・問題は、再生可能エネルギーの多くが予見できる将来にわたって経済性に乏しく、高コストであることだ。


クリーンエネルギーの研究・開発、実証実験を
多国間で進めよ

(2011年1月号
マイケル・レビ、エリザベス・C・エコノミー
シャノン・オニール、アダム・シーガル

(莫大なコストを要する)クリーンエネルギー導入の資金リスクを減らし、価格が現在よりも安く、経済性のあるものにならない限り、クリーンエネルギー促進政策が必要とされる規模とペースで進展することはあり得ない。経済性を高めて、コストを下げるには、クリーンエネルギーの世界市場を何としても誕生させる必要がある。だが、クリーンエネルギーへの投資が国家の競争力を高めることを目的とするゼロサム・ゲームと認識されている限り、国家は障壁をめぐらそう とし、世界市場は出現しない。各国の試行錯誤を緊密に連携させ、他国の成果の上に研究を積み重ねられるようにして、市場の形成と拡大を目指す必要がある。




2012.2.29.更新




ソーラー(太陽光)による電力生産コストが大きく低下している。・・・なかには、1ワット単位1ドル以下で販売されているパネルもある。石油も石炭も原子力も必要としない世界へのエネルギーシフトを、炭素繊維などの超素材や「インテグレーティブ・デザイン」の導入による車や建物のエネルギー使用効率の改善、そして、再生可能エネルギーの生産上の空白を埋めるスマートグリッドと独立型の「マイクログリッド」で実現できる。写真はオーストリアにある「ソーラーツリー」

関連論文



資源の利用効率改善が育む「新資源」
エモリー・B・ロビンス、L・ハンター・ロビンス
(2001年10月号、3月Subscribers' Only公開予定)

エネルギーの利用効率の改善ペースが石油資源の枯渇ペースを上回り続ければ、いずれ石油は低価格であっても市場で見向きもされない資源になる。利用効率の改善によって節約される資源こそ、もっとも急速に拡大している新しい「資源」だ。
 


地球温暖化リスクと原発リスク (2011年11月号)   
アーネスト・モニズ


エネルギーの未来 ―― 「ベースロードエネルギー」と再生可能エネルギーを組み合わせるしかない  (2011年6月号)
アンヌ・ロベルジョン

最近のニュースより

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焦点:太陽光パネル価格の下落、設置業者の統合やコスト低下に (2月20日)
ロイター


帝人:炭素繊維自動車、20年には世界で年100万台に−新市場育成 (12月22日)
ブルームバーグ
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   2012年2月22日更新
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 <思想の衝突> 1923−2011
「われわれはどこから来て、どこへ向かっているのか」
(3月号特集プレビュー)


The Clash of Ideas <思想の衝突>
(2012年3月号特集
第一次世界大戦は本質的に帝国主義戦争だった。残忍な方法を用いて、歴史の進展が作り出した問題を解決しようと各国は試みた。その問題とは世界規模の国際分業(貿易)によって拡大した経済生活の格差であり、課題はそれをいかに均衡させ、まとめていくかにあった。無論、戦争ではこの問題と課題への解答は出なかった。・・・
「ナショナリズムと経済生活」(1934年)
レオン・トロツキー
生活が不安定な農民層と社会に失望している知識層が存在し、経済状況の改善と国家再生への願いがあれば、その(アジアの)国は共産主義モデルにいとも簡単に組み込まれてしまうだろう。
「アジアのナショナリズムと革命思想」(1950年)
ジョン・K・フェアバンク
問題は、経済的なグローバル化が、勝者と敗者をつくりだし、富裕層と貧困層の間の不平等をさらに大きくしてしまっていることだ。これにどう対処するかで、リベラルな世界秩序の安定が左右される・・・
「冷戦の終焉」と旧秩序の再発見」(1996年)
ジョン・アイケンベリー
中国は、日独が第二次世界大戦に敗れた1945年以降、姿を消していた権威主義的資本主義パワーの再来だ。・・・経済面で先進諸国とのギャップを狭めていくにつれて、中国が真の権威主義的超大国になる可能性は依然として存在する。
「21世紀は権威主義的資本主義大国の時代になるのか」(2007年)
アザル・ガット
金融危機が明らかにしたのは、先端をゆく洗練された国家であるアメリカの危うさだけでなく、資本主義に内在する不安定性だった。
「ポスト・ワシントンコンセンサス」(2011年)
ナンシー・バードサール、フランシス・フクヤマ

漂流する先進民主国家
―なぜ日米欧は危機と問題に対応できなくなったか

(2012年1月号

チャールズ・クプチャン/米外交問題評議会シニア・フェロー

統治危機が先進民主国家を覆い尽くしている。アメリカ、ヨーロッパ、日本が同時に「政治的破綻」を経験しているのは偶然ではない。グローバル化が「有権者 が政府に対して望むもの」と「政府が提供できるもの」の間のギャップをますます広げてしまったからだ。優れた統治(政治と対策)を求める人々の要求が高 まっているにも関わらず、政府がそれに応えられなくなっている。このミスマッチこそ、先進民主世界が現在直面しているもっとも深刻な課題だろう。





濃淡の違いこそあれ、レーニンとムッソリーニの手法に違いはなく、二人の試みが異なるイメージでとらえられているのは、財産権についてまったく正反対のアプローチをとっているからだ。だが、二人の思想に内包される危険は非常によく似ている。(レーニンとムッソリーニ(1923年)H・ラスキ)、植民地ではナショナリズムが状況を先に進める革新的な役割を果たすかもしれない。だが、世界における巨大な爆発と壮大な衝突を準備する退廃したファシスト・ナショナリズムがもたらすのは、破滅に他ならない。(ナショナリズムと経済生活(1934年)レオン・トロツキー)

関連論文



将来のイデオロギー (2012年2月号)
―歴史の未来
 
フランシス・フクヤマ


現在の危機とマルクス主義 (2012年2月号)
―民主主義の奇妙な勝利、そして停滞  
 
シュロモ・アヴィネリ
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   2012年2月22日更新
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  アジアにおける米中の不安とTPP
―― 中国の覇権確立 VS.対中包囲網の形成
(3月号プレビュー)


米中対立とアジア諸国の立場
米中衝突を回避するには 
(2012年3月号掲載)
ヘンリー・キッシンジャー

アメリカは「中国によるアジアでの覇権確立」を懸念し、中国は、「アメリカに包囲網を築かれてしまうのではないか」と警戒している。 しかも・・アメリカの専門家たちが中国を「まだ多くを学ぶ必要がある台頭する大国」と考えているのに対して、中国側は自国のことを「大国へと復帰しつつある国」とみている。アメリカの専門家は次のように考えている。「中国が大陸周辺の一連の島嶼群を勢力圏にして海洋での支配的な優位を確立するのではないか。・・・中国の近隣諸国は、貿易同様に安全保障領域でも中国に依存するようになり、中国の気に入るような政策をとり始めるかもしれない」。一方、中国はアメリカのことを台頭するライバルを抑え込むことを決意している「手負いの超大国」とみなし、「いかに中国が積極的に協調路線を模索しても、ワシントンは・・・中国パワーの強大化を抑え込み、中国が歴史的な中華帝国の役割を再び果たすようになるのを阻止することを目的に据えている」とみている。・・・そしてアジア諸国は「見捨てないで欲しい。だが、われわれに(中国とアメリカのどちらかを選ぶような)選択を強要しないで欲しい」と考えている。・・・


中国の覇権確立を阻むには
―アジアは中国の一極支配になるのか

(2010年1月号掲載、
3月Subscribers' Only公開予定)
アーロン・L・フリードバーグ/プリンストン大学政治学教授

「アメリカが積極的に関与しないアジア」が多極化していくことはあり得ない。インドが幾ばくかの対中対抗バランスを形成できるかもしれないが、アメリカが 関与しなければ、基本的にアジアは、中国が支配的な影響力をもつ一極支配構造になっていく。アジア共同体については多くのことが言われているが、ワシント ンが構想を支持するとすれば、アジアが開放性を維持し、他の世界との統合を重視し、そこでアメリカが重要な役割を果たし続ける場合だけだろう。アジア諸国 の多くも、アメリカがそうした役割を果たし続けるのを望んでいる。(A・フリードバーグ)

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中国の意図は何か
(2011年8月号、3月Subscribers' Only公開予定
アンドリュー・ネーサン/コロンビア大学政治学教授

「悲劇的な紛争を回避するには、アメリカは中国の台頭を悠然と受け入れるべきだ」。こう主張するヘンリー・キッシンジャーは、中国外交を高く評価している。一方、フリードバーグは、中国の意図は、「東アジアにおける支配的なパワーとしてのアメリカに取って代わり、おそらくは、アメリカを東アジア地域から締め出す」ことにあるとみなし、アメリカに好ましいパワーバ ランスを維持することで、中国の台頭に対する一定の境界線を引くべきだと主張している。・・・だが中国にはアメリカをアジアから締め出せるような力はない。そうなるとすれば、アメリカがアジアからの全面撤退を決意した場合だけだろう。






米中両国は純粋に協調にコミットし、自分のビジョンを相手、そして世界に伝える必要がある。アメリカは他の諸国とともに、アメリカとアジアをつなぐ自由貿易協定である環太平洋パートナーシップ(TPP)の交渉を開始している。こうしたアレンジメントが太平洋コミュニティに向けた第一歩になる可能性もある。だが、・・・(H・キッシンジャー)

関連論文



環太平洋パートナーシップと中国の台頭 (2011年11月号)
――日本のTPP参加の地政学的意味合い
 
バーナード・ゴードン


欧米とアジアの相互依存は成立するか  (2010年10月号)
――中国、インド、欧米の相互作用とアジアの未来 
 
サイモン・タイ


中国のルールか環太平洋のルールか (2011年11月号)
エリザベス・エコノミー


人民元の国際化戦略を検証する (2012年2月号)
セバスチャン・マラビー
オリン・ウェシングトン


はじけだした中国の不動産バブル (2012年2月号)
パトリック・チョバネク

最近のニュースより

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習副主席 米中経済の結びつき強調 (2月17日)
NHK


2012.2.15.更新
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   2012年2月17日更新
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   21世紀を支える思想と政治経済モデルの模索
―― 市場経済民主主義モデルの衰退か
(フォーリン・アフェアーズ・リポート2月号)


もはや民主主義では問題を解決できなくなったのか。アメリカの政治は機能不全に陥り、日本は危機対応を巡って無力さをさらけ出し、将来の危機に備えることもできずにいる。ヨーロッパはすでに大きな危機のさなかにある。ソブリン危機への解決策は見えず、ヨーロッパ統合そのものが危機にさらされている。かたや、権威主義の中国が台頭している。金融資本主義の落とし子としての金融危機が先進国経済を衰退させ、グローバル化が新興国を台頭させるなか、何が将来を左右することになるのか。誰もが新しい思想とモデルを模索し始めている。(FAJ)


将来のイデオロギー
―歴史の未来
(2012年2月号)
フランシス・フクヤマ/スタンフォード大学シニアフェロー

現在の世界では、経済成長、社会的変化、リベラルで民主的なイデオロギーの間には依然として密接な関連がある。リベラルな民主主義に対抗できるような説得力を持つイデオロギーは今のところ見あたらない。しかし、現在の厄介な経済、社会トレンズが今後も続くようなら、リベラルな民主的社会の安定も、リベラルな民主主義の優位も損なわれていくだろう。・・・そうした時期がすでに到来していることを示唆する徴候が数多くみられる。・・・新イデオロギーは政治的には、現在の利害共有者から公的部門を解き放ち、公的部門の再設計を促すものでなければならない。・・・富の再分配機能を高め、圧力団体が政治を支配する時代を終わらせるものでなければならない。経済的には・・・グローバルな貿易と投資を、国の富を増大させるものとしてだけなく、中産階級の繁栄に貢献するかどうかという視点でもとらえなければならない。


グローバル化の功罪
―漂流する先進民主国家 

(2012年1月号)

チャールズ・クプチャン/米外交問題評議会シニア・フェロー

中国はグローバル化から巧みに恩恵を引き出す一方で、そのダメージを抑え込むことに成功している。その理由は、リベラルな民主国家がすでに放棄した(閉鎖的で非民主的な)措置を温存し、行使しているからだ。少なくとも現在のところ、国家資本主義は(グローバル経済に対処していく上で)明確な優位をもっている。こうして、欧米の物質的優位が危機にさらされているだけでなく、その近代性がもつ魅力も色あせつつある。・・・グローバル化によって、これまでリベラルな民主国家が用いてきた伝統的な政策ツールの効果が薄れてきている。・・・いまや経済は、景気刺激策や金融政策を通じた調節に反応しなくなってしまった。製品や資金の流れの早さと規模の大きさゆえに、世界の他の地域での決定や展開が財政政策や金融政策の効果を抑え込むようになったからだ。・・・


現在の危機とマルクス主義
―民主主義の奇妙な勝利、そして停滞
(2012年2月号)
シュロモ・アヴィネリ/ヘブライ大学政治学教授

現在の経済危機は、かつてマルクスと・・・彼の弟子たちが頭を悩ませた問題がいまも存在することを意味する。人々は、資本主義が経済利益を広く社会に行き渡らせる永続的な流れをもっているかどうかを疑問に感じ始めている。・・・民主的政府は危機に適切に対応できず、大衆の要望を満たす行動がとれずにいる。・・・市場原理主義、新自由主義では、「近代的でグロール化した経済秩序をどうすれば持続できるか」という問いの完全な答えにはなり得ない。





いまのところ経済成長、社会的変化、リベラルで民主的なイデオロギーの間には依然として密接な関連がある。だが、現在の厄介な経済、社会トレンズが今後も続くようなら、リベラルな民主的社会の安定も、リベラルな民主主義の優位も損なわれていく。(F・フクヤマ)

関連論文



ブロークンコントラクト (2011年11月号)
――不平等と格差、そしてアメリカンドリームの終焉
 
ジョージ・パッカー

レーニンとムッソリーニ(1923年)
ハロルド・ラスキ

ヒトラーのドイツ(1933年)
ハミルトン・フィッシュ・アームストロング

ナショナリズムと経済生活(1934年)
レオン・トロツキー

戦後世界の経済課題(1942年)
チャールズ・P・キンドルバーガー
& アルビン・H・ハンセン

アジアのナショナリズムと革命思想(1950年)
J・K・フェアバンク

アジアと西洋の社会主義の断絶(1964年)
デビッド・J・サポス

ポスト・ワシントンコンセンサス(2011年)
N・バードサール
& F・フクヤマ


anthology vol.35
フォーリン・アフェアーズ傑作選2011-2012
先進民主国家の停滞とGゼロの世界

―民主主義ではもう市場経済の問題を解決できない>>
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   2012年2月15日更新
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   瀬戸際のヨーロッパ経済とグローバル経済・通貨システム
―― 1930年代の悪夢が再現されるのか
(フォーリン・アフェアーズ・リポート2月号)


ユーロの衰退は国際通貨システム崩壊の序章か
再現されるのは1930年代か1970年代か
(2012年2月号)
バリー・エイケングリーン/カリフォルニア大学経済学教授

困難な状況に追い込まれている南ヨーロッパ市民は、緊縮財政を進める自国政府を批判し、北ヨーロッパ諸国に対しても「自分たちの生活を締め付けている」と強く反発している。一方、北ヨーロッパ諸国は南ヨーロッパのことを「カネづかいが荒くて怠惰で、政治的にも腐敗している」とみなし、「これ以上救済策をとるのは、カネをドブに捨てるのと同じだ」と結論付けている。このような現実からみると、ユーロは「永続的に問題に悩まされるヨーロッパの弱体な通貨であり続ける」と考えてもおかしくはない。悪くすると、ユーロゾーンの低成長と内的な緊張によって、通貨同盟は解体に追い込まれるかもしれない。いずれのシナリオをたどっても、国際通貨システムは脅かされる。過去には、国際通貨システムが現在のような危機に直面して、崩壊したことがある。最初は1930年代、次が1970年代におけるシステムの崩壊だ。・・・


ギリシャのユーロ離脱は何を引き起こすか
― なぜユーロプロジェクトは失敗したか
(2012年1月号)

マーティン・フェルドシュタイン/ハーバード大学教授

ユーロ圏にとどまれば、他のユーロ諸国から救済支援を得られるという利点はあるかもしれないが、この場合、失業と社会騒乱という非常に大きな代価を伴う。・・・現在ドイツは、ギリシャをユーロゾーンにとどまらせようと資金を提供することを考えている。これは、ギリシャが離脱すればユーロ圏そのものが解体し、ドイツの輸出と経済に有利に作用しているユーロレートが消失する恐れがあるからだ。・・・一方、ユーロを離脱し、新ドラクマを導入すれば、通貨の切り下げができるようになるし、ディフォルトに陥っても、ユーロ圏にとどまった場合よりも痛みは少なくて済む。だが、ギリシャが離脱し、通貨の切り下げに踏み切れば、グローバル資本市場はどう考えるだろうか。イタリアも同様の撤退戦略をとるかもしれないと考えだすだろう。その結果、・・・・・


ナショナリズムの台頭で脅かされるヨーロッパの統合
―漂流する先進民主国家
(2012年1月号)
チャールズ・クプチャン/米外交問題評議会シニア・フェロー

ヨーロッパの手厚い社会保障システムもグローバル競争の激化を前にすでに持続不可能な状態に陥り、大規模な予算削減の対象にされている。しかも、ユーロゾーンの債務危機に対処するための緊縮財政が事態をますます深刻にしている。EUが強要する緊縮財政にギリシャ人が反発を感じているように、ドイツ人もヨーロッパの周辺国に救済措置をとらざるを得ないことに不満を高めている。・・・こうした社会不満をバックに極右政党が台頭し、これらの政党は移民だけでなく、EUもターゲットにしている。・・・



2012.2.15.更新





ユーロは「永続的に問題に悩まされるヨーロッパの弱体な通貨であり続ける」かもしれないし、悪くすると、ユーロゾーンの低成長と内的な緊張によって、通貨同盟は解体に追い込まれるかもしれない。いずれのシナリオをたどっても、国際通貨システムは脅かされる。(B・エイケングリーン)

関連論文



人民元の国際化戦略を検証する (2012年2月号)
セバスチャン・マラビー
オリン・ウェシングトン


ユーロ危機とヨーロッパの政治 (2012年1月号)
モーリジオ・モリナーリ
アンドリュー・ナゴルスキー
エレイン・シオリーノ


1930年代の悪夢が再現されるのか
(2011年4月号、アンソロジーvol.35)

リアクァト・アハメッド


国際通貨戦争、保護主義の台頭を避けるには
〈2011年3月号、アンソロジーvol.35)
ラグラム・ラジャン


ユーロゾーンの再構築を (2011年11月号)
ヒューゴ・ディクソン


脅かされる基軸準備通貨、ドルのジレンマ
―― ユーロ、SDR、人民元の台頭 
(2010年9月号、Subscribers' Only公開)
バリー・エイケングリーン
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最近のニュースより

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ギリシャが改革を実行できるか疑問=バイトマン独連銀総裁(2月15日)
ロイター


ユーロ圏6か国の国債格下げ (2月14日)
NHK
 
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   2012年2月10日更新
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  イラン核施設攻撃で原油価格はどう推移するか
――核拡散リスクと原油と経済、シリア内戦と中東の宗派対立
(フォーリン・アフェアーズ・リポート2月号)


核施設攻撃で原油価格はどう変化するか
―イラン危機と原油市場の混乱
(2012年3月号掲載予定)
ロバート・マクナリー
/元国家安全保障会議国際エネルギー担当シニアディレクター

イランは1日あたり1750万バレルの原油輸送を脅かす力を持っており、サウジの余剰生産能力では到底埋め合わせられないし、・・・神経質な市場プレイヤーを安心させるのは不可能だ。・・・イスラエル、あるいはアメリカがイランの核施設を空爆すれば、原油価格の急騰は避けられなくなる(攻撃当日に、原油価格は23ドル上昇するという予測もある)。その後の価格推移は、湾岸の石油インフラのへのダメージ、あるいは、ホルムズ海峡の封鎖につながるかもしれない紛争拡大のリスクとその期間を市場プレイヤーたちがどうみるかで左右される。・・・傀儡勢力、あるいはイラン軍を用いて、テヘランはイラクのエネルギーインフラ、サウジやカタールの原油や天然ガスの輸出インフラを攻撃できる。現在原油の供給が注目されているが、カタールが世界の天然ガス供給の3分の1を担っていることを忘れてはならない。

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原油価格高騰とインフレリスク
― 原油価格大変動の時代へ
(2012年2月号)

ロバート・マクナリー
/元国家安全保障会議国際エネルギー担当 シニアディレクター
マイケル・レビ/米外交問題評議会エネルギー担当 シニア・フェロー

原油価格のボラティリティが高まれば、マクロ経済政策の立案者や中央銀行のバンカーも厄介な状況に直面する。政策立案者は、経済需要の低下を前に、金利を引き下げ、景気刺激策などの対策をとらざるを得なくなるかもしれない。一方で、原油価格が急騰すればインフレが誘発される恐れが出てくるために、中央銀行は金利を引き上げざるを得なくなり、この場合、経済成長はさらに抑え込まれる。原油価格が国民経済にどのような影響を与えるか、その因果関係は曖昧だし、議論が必要だが、エコノミストのジェームズ・ハミルトンが指摘するように、第二次世界大戦後にアメリカで起きた11のインフレは、一つを例外とすれば、原油価格の急変動と密接に関連している。


シーア派イランとスンニ派サウジの衝突?
―中東の宗派間抗争とロシアの立場
(2012年2月号)
ドミトリ・トレーニン/カーネギー・モスクワセンター所長

すでにシリアは内戦に陥っており、その余波は、レバノン、ヨルダン、イラクを含む、中東全域に及ぶ恐れがある。さらに、シリアが、パレスチナの武装勢力やヒズボラ に対して「イスラエルの入植地や前哨基地を攻撃するように」と促せば、イスラエルもその余波に巻き込まれる。アラウィ派を中心とするアサド政権が、スンニ 派の反体制派に攻撃されているために、シリアの同盟国でシーア派のイランはすでに混乱に引きずり込まれている。シリアの多数派であるスンニ派は、シーア派イランに近い少数派(アラウィ派) によって抑圧されていると感じている。・・・シリアとバーレーンにおける最近の展開は中東全域におけるスンニ派とシーア派の対立、そしてスンニ派の盟主サ ウジとシーア派の盟主イランの潜在的衝突のリスクを高めている。



2012.2.13.更新





湾岸からの原油の一部を、ホルムズ海峡を経ずに輸出する方法はある。産油地帯と紅海に面するヤンブーをつなぐ東西パイプラインをサウジが利用すれば、1日150万バレルの原油を市場に送り出せる。ホルムズ海峡を経由せず、ハブシャン油田とフジャイラをつなぐアラブ首長国連邦の新しいパイプラインも、2012年夏には150万バレルを搬出できるようになると考えられている。・・・だが、これでは想定される供給の乱れにはとうてい対応できない。(R・マクナリー)

関連論文



石油戦略備蓄の効果を最大化するには (2008年7,8月号)
――備蓄量ではなく、備蓄の管理体制に目を向けよ

D・ビクター
S・ウィンクラー


世界の原油市場を左右する中国とイランの石油コネクション
 (2011年7月号)
エリカ・ダウンズ
スザンヌ・マロニー


イランの権力と政治構造を解明する (2008年12月号)
――ハメネイの絶対権力を崩さなければ、何も変わらない

アクバル・ガンジ


いまこそイランを軍事攻撃するタイミングだ 〈2012年2月号)
マシュー・クローニッグ


イランはすでに核弾頭を搭載できるミサイルを保有している
 (2012年2月号)
マイケル・エルマン


空爆、外交、それともイランの核武装を放置するか
(2012年2月号)
レイ・タキー
マシュー・クローニッグ


イラン攻撃に関するイスラエルの立場 〈2012年2月号)
―あらゆる事態を想定した制裁強化と外交対話を
リチャード・ハース

最近のニュースより

(外部ページへジャンプします)


イラン 制裁で貿易に支障か (2月9日)
NHK


原油輸出急減でも核開発は断念しない=イラン石油相(2月6日)
ロイター
 
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   2012年2月9日更新
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  シリア内戦の地政学的衝撃
―激化する中東の宗派間紛争とイランの核開発
(2月号プレビュー)  


「シリアという同盟国を失いつつあるために、イランは、核開発にますます多くを依存するようになると考えられる」(D・ゴードン)


シーア派イランとスンニ派サウジの衝突?
―中東の宗派間抗争とロシアの立場
(2012年2月号)
ドミトリ・トレーニン/カーネギー・モスクワセンター所長

すでにシリアは内戦に陥っており、その余波は、レバノン、ヨルダン、イラクを含む、中東全域に及ぶ恐れがある。さらに、シリアが、パレスチナの武装勢力やヒズボラに対して「イスラエルの入植地や前哨基地を攻撃するように」と促せば、イスラエルもその余波に巻き込まれる。アラウィ派を中心とするアサド政権が、スンニ派の反体制派に攻撃されているために、シリアの同盟国でシーア派のイランはすでに混乱に引きずり込まれている。シリアは、(少数派のスンニ派が多数派であるシーア派を抑え込んでいる)バーレーンとは逆の対立構図を抱え込んでいる。シリアの多数派であるスンニ派は、シーア派イランに近い少数派(アラウィ派)によって抑圧されていると感じている。・・・シリアとバーレーンにおける最近の展開は中東全域におけるスンニ派とシーア派の対立、そしてスンニ派の盟主サウジとシーア派の盟主イランの潜在的衝突のリスクを高めている。

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中東における宗派対立の再燃とイラン
―2012年の世界のマクロ政治・経済リスクを検証する
(2012年2月号)
デビッド・ゴードン/ 元米国務省制作企画部長

危険なのは、シリアが宗派ラインにそって解体しつつあり、しかも、そこに外国勢力が関与していることだ。宗派対立を構図とする代理戦争によってシリアが内戦に陥っていく危険がある。・・・そもそも中東地域では歴史的なスンニ派とシーア派の対立が再燃しつつある。この宗派対立の構図がイラクではきわめて鮮明になってきている。・・・・中東における変化は非常に大きな問題であり、イランが実際に秩序を揺るがすような行動をとり始めれば、イランとイスラエルの緊張が高まり、結果的にグローバル安全保障も脅かされる恐れがある。困ったことに、シリアという同盟国を失いつつあるために、イランは、核開発にますます多くを依存するようになると考えられる。


シリア内戦はもう避けられない?
(2012年2月号)

アンドリュー・タブラー /近東政策ワシントン研究所次世代フェロー

興味深いのは、これまでアラブ連盟内で反アサド路線の旗振り役を担ってきたのがカタール、サウジ、そしてアラブ首長国であることだ。これらの保守的なスンニ派国家はシリアでの革命を望んでいる。・・・戦略的には、サウジもトルコも、そしておそらくはアメリカも、テヘランにとって、盟友であるアサド政権が倒れれば、(シーア派)イランの地域的影響力が大きく損なわれるという読みがあるのも事実だろう。シーア派三日月地帯、イラン枢軸を切り崩すには、アサド政権を倒すのが最善であることは誰もが理解している。






シリアとバーレーンにおける最近の展開は中東全域におけるスンニ派とシーア派の対立、そしてスンニ派の盟主サウジとシーア派の盟主イランの潜在的衝突のリスクを高めている。モスクワの戦略家は、シリアの紛争、イラクでの宗派衝突、バーレーンでの失敗に終わった革命という現実からみて、中東各地で地域的な優位を求めて、宗派間の代理戦争が展開される恐れがあるとみている。(D・トレーニン)

関連論文



いまこそイランを軍事攻撃するタイミングだ 〈2012年2月号)
マシュー・クローニッグ


イラン攻撃に関するイスラエルの立場 〈2012年2月号)
―あらゆる事態を想定した制裁強化と外交対話を
リチャード・ハース


空爆、外交、それともイランの核武装を放置するか
(2012年2月号)
レイ・タキー
マシュー・クローニッグ


イランはすでに核弾頭を搭載できるミサイルを保有している
 (2012年2月号)
マイケル・エルマン


イラン危機と原油市場 (2012年2月)
ロバート・マクナリー


シリアへの軍事介入を求め始めた反アサド勢力
―「保護する責任」とアラカルトの軍事介入
(2011年11月号)
マイコー・ゼンコー

最近のニュースより

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シリアめぐる最悪のシナリオ、米露の代理戦争に発展も (2月9日)
ロイター


立ち入り調査要請 イランが拒否(2月4日)
NHK

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   2012年2月7日更新
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  論争 イラン空爆を試みるのは、アメリカかイスラエルか、
それとも最後の外交か
(2月号プレビュー)  


いまこそイランを軍事攻撃するタイミングだ
(2012年2月号)
マシュー・クローニッグ/前米国防長官室ストラテジスト

「核兵器生産を決断すれば、イランは6カ月以内に最初の核弾頭を獲得できる段階に達している」。しかも、イランが重要な核開発の装置を、攻撃で破壊されにくい(地下施設などの)サイトへと移転させれば、軍事攻撃を成功させる間口はますます狭くなる。したがって、イランが国内のサイトからIAEAの査察官を締め出し、低濃縮ウランから(濃縮度90%の)兵器級ウランを生産するプロセスに着手し、コムにあるウラン濃縮施設にさらに先端型の高速遠心分離器を設置するようであれば、アメリカは直ちにそうした施設を軍事攻撃すべきだ。そうしない限り、イランの核開発を阻止する最後のチャンスを逃すことになる。


イラン攻撃に関するイスラエルの立場
―あらゆる事態を想定した制裁強化と外交対話を
(2012年2月号)
リチャード・ハース/米外交問題評議会会長

イスラエルのエフード・バラク国防相は、イスラエルは「(他国が)手を出せない状況=zone of immunityをイランが作り上げること」を許さないと述べている。・・・彼が示唆しているのは、堅固に保護された数多くのサイトで核兵器に必要なウランを十分に生産できる態勢を築き、軍事攻撃をある程度成功させても、もはや核開発プログラムを数年前の状態へとは引き戻せないような物理的環境をイランが作り上げることだ。・・・イスラエルは特定のレッドラインではなく、イスラエルが予防攻撃で破壊できるイランの核開発プログラムの規模が小さくなることを警戒している。 イスラエルの許容度と彼らにとっての時間的猶予は、われわれや国際社会のそれ以上に限られている。・・・何が国益を守る上で不可欠かについての結論を出せば、イスラエルの指導者は、最終的にアメリカの立場を拒否権として受け入れることはないだろう。・・・だが、まだ残された方法があると私はみている。・・・・・

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イラン危機と原油市場
(2012年2月号)
ロバート・マクナリー
/元国家安全保障会議国際エネルギー担当 シニアディレクター

イランは事実上1750万バレルの原油輸送を脅かす力を持っている。当然、OPECの余剰生産能力では到底埋め合わせられないし、しかも、そうした生産能力の多くはホルムズ海峡の北に位置している。外交的打開が期待できないとすれば、イランのリスクプレミアムはさらに高まる。・・・さらに、イスラエル、あるいはアメリカがイランの核施設を空爆すれば、攻撃当日に、原油価格は23ドル上昇すると予測される。・・・ホルムズ海峡の封鎖を試みなくても、・・・傀儡勢力、あるいはイラン軍を用いて、テヘランはイラクのエネルギーインフラ、さらには、サウジやカタールの原油や天然ガスの輸出インフラを攻撃できる。現在原油の供給が注目されているが、カタールが世界の天然ガス供給の3分の1を担っていることを忘れてはならない。



2012.2.8.更新




ホルムズ海峡の封鎖を試みなくても、・・・傀儡勢力、あるいはイラン軍を用いて、テヘランはイラク南部のエネルギーインフラ、さらには、サウジやカタールの原油や天然ガスの輸出インフラを攻撃できる。現在原油の供給が注目されているが、カタールが世界の天然ガス供給の3分の1を担っていることを忘れてはならない(R・マクナリー)

関連論文



空爆、外交、それともイランの核武装を放置するか
(2012年2月号)
レイ・タキー
マシュー・クローニッグ


イランはすでに核弾頭を搭載できるミサイルを保有している
 (2012年2月号)
マイケル・エルマン


イスラエルはイランに対する道徳的優位を示せ
―イスラエルは自国の核保有を認めるべきだ
(2010年11月号)

イスラエルは、自国を脅かすイランの脅威に対抗するには単独の軍事行動しかないという思いにとらわれるべきではない。軍事力を行使しなくても、イランの計算を変化させることができる。イスラエルが自国の核姿勢と和平プロセスへのアプローチを大きく変化させれば、状況は大きく変化する。・・・・
アブナー・コーエン
マービン・ミラー


イスラエルがイランを空爆すれば 〈2010年4月号)

イスラエルに自制を求める上でもっとも必要なのは、イスラエルを安心させ、彼らが一人だと感じさせないことだ。
スティーヴ・サイモン

最近のニュースより

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米国がイラン制裁強化、中銀などの全資産凍結 (2月7日)
AFPBB News


イスラエル情報機関長官が訪米、イラン攻撃時の対応見極めで(2月5日)
CNN

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   2012年2月3日更新
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 歴史の未来
―漂流する先進国と市場経済・民主主義の未来
(2月号プレビュー)  


歴史の未来
―中間層を支える思想・イデオロギーの構築を
(2012年2月号)
フランシス・フクヤマ/スタンフォード大学シニアフェロー

マルキストが共産主義ユートピアを実現できなかったのは、成熟した資本主義社会が、労働者階級ではなく、中産階級を作り出したからだ。しかし、技術的進化とグローバル化が中産階級の基盤をさらに蝕み、先進国社会の中産階級の規模が少数派を下回るレベルへと小さくなっていけば、民主主義の未来はどうなるだろうか。・・・・屋根裏部屋で暮らす誰かが、健全な中産階級社会と民主主義のための現実的な道筋を描くことで、未来のイデオロギーのアウトラインを描き出そうと試みている姿を想像して欲しい。・・・新イデオロギーは、現在の利害共有者から公的部門を解き放ち、公的部門の再設計を促し、・・・富の再分配機能を高め、圧力団体が政治を支配する時代を終わらせるものでなければならない。


漂流する先進民主国家
―なぜ日米欧は危機と問題に対応できなくなったか
(2012年1月号)
チャールズ・クプチャン/米外交問題評議会シニア・フェロー

統治危機が先進民主国家を覆い尽くしている。アメリカ、ヨーロッパ、日本が同時に「政治的破綻」を経験しているのは偶然ではない。グローバル化が「有権者が政府に対して望むもの」と「政府が提供できるもの」の間のギャップをますます広げてしまったからだ。優れた統治(政治と対策)を求める人々の要求が高まっているにも関わらず、政府がそれに応えられなくなっている。このミスマッチこそ、先進民主世界が現在直面しているもっとも深刻な課題だろう。


民主主義の奇妙な勝利そして停滞
(2012年2月)

シュロモ・アヴィネリ/ヘブライ大学政治学教授

最近の金融危機を前に、人々は、資本主義が経済利益を広く社会に行き渡らせる永続的な流れをもっているかどうかを疑問に感じ始めている。そもそも、社会に提示できるものをもち、圧倒的な力をもっていたマルクス主義はなぜリベラルな民主主義に敗れ去ったのか。1930年代、「左はスターリンのソビエトに、右はヒトラーのドイツとムッソリーニのイタリアに固められ、(政治的に)包囲されていた西ヨーロッパのリベラルな民主主義に生き残るチャンスはない」と考えても不思議はなかった。・・・だがいまや、民主主義政府は危機に適切に対応できず、大衆の要望を満たす行動がとれなくなっている。・・・世界が直面する危機によって、市場原理主義、急激な民営化、新自由主義では、「近代的でグローバル化した経済秩序をどうすれば持続できるか」という問いの完全な答えにはなり得ないことが明らかになりつつある。



2012.2.6.更新




グローバル化は「有権者が政府に対して望むもの」と「政府が提供できるもの」の間のギャップをますます広げてしまった。(C・クプチャン)いまや、民主主義政府は危機に適切に対応できず、大衆の要望を満たす行動がとれなくなり、・・・市場原理主義、急激な民営化、新自由主義では「近代的でグローバル化した経済秩序をどうすれば持続できるか」という問いの完全な答えにはなり得ないことが明らかになりつつある。(S・アヴィネリ) 1989年のベルリンの壁の崩壊(写真)は、冷戦終結、そして市場経済・民主主義の勝利のシンボルとみなされてきた。

関連論文



権威主義的資本主義大国の時代(2007年8月号掲載論文)

現在の中国とロシアは、日独が第二次世界大戦に敗れた1945年以降、姿を消していた権威主義的資本主義パワーの再来にほかならない。今後、中国に象徴される権威主義的な資本主義国家がリベラルな民主主義の代替策を提示することになるかもしれない。リベラルな民主主義 が、最終的に勝利を収めるという保証はどこにもない。
アザル・ガット


欧州危機と中国の利益 〈2011年9月号)
マーク・ブリス


競争的権威主義とビスマルクの遺産 〈2012年1月号)
マイケル・バーンハード


アメリカ後の世界秩序
G・ジョン・アイケンベリー

最近のニュースより

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中国、欧州支援に関与拡大も (2月3日)
ロイター


欧州危機なお脅威、あらゆる手段講じ経済守る=バーナンキ米FRB議長 (2月3日)
ロイター


資本主義は危機的な状況−世界の投資家、所得の不均衡の弊害認める (1月26日)
ブルームバーグ


ビスマルクの声の録音見つかる (2月3日)
NHK

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   2012年2月1日更新
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 中東における宗派間抗争の再燃
―― シリア紛争の地域的・宗派的意味合い
(フォーリン・アフェアーズ・リポート2月号)


中東における宗派対立の再燃とイラン
―2012年の世界のマクロ政治・経済リスクを検証する
(2012年2月号)
デビッド・ゴードン/ 元米国務省制作企画部長

北アフリカ地域の一部では2011年に旧体制が崩壊したが、2012年には中東での宗派対立が先鋭化していくと考えられる。シーア派とスンニ派が対立しているのはシリアとイラクにおいてだけではない。「スンニ派の地域大国であるサウジとトルコ」と「シーア派のイラン」の対立という構図も存在する。この宗派対立の流れがイランの核開発路線だけでなく、間接的には、イスラエルによるイラン空爆の可能性にも影響を与えている。


シリア内戦はもう避けられない?
―膠着状態に陥った安保理とアラブ諸国の思惑
(2012年2月号)
アンドリュー・タブラー/近東政策ワシントン研究所次世代フェロー

ロシアの反対によって安保理が身動きできなくなれば、地域諸国が(宗派その他の思惑から)それぞれシリアの国内勢力に関与し、現地で代理戦争が展開される事態へと陥っていく。いまや事態はこの方向へと急速に向かいつつある。仮に安保理で何らかの合意が成立しても、この流れは覆せないだろう。シリア社会は分裂している。反政府運動が拡大する一方で、政権が倒れた後に何が起きるかわからないために、一部の人々は、現状に不満を感じつつも、少なくとも表向きはアサド政権の立場を支持している。(スンニ派)アラブ諸国は、民衆を殺害する手法をアサド政権が際限なく続け、流血の事態を積み重ねていることに対する怒りだけでなく、イランを中核とするシーア派三日月地帯、イラン枢軸を切り崩すには、(アラウィ派ながらも、イランとの緊密な同盟関係にある)アサド政権を倒すのが最善であることを理解している。

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軍事介入を求め始めたシリアへの反アサド勢力
―「保護する責任」とアラカルトの軍事介入
(2011年11月)

マイコー・ゼンコー/米外交問題評議会 紛争予防担当フェロー

いまやシリアの反体制派集団は国際社会に対して軍事支援を強く求め始めている。「自由シリア軍=FSA」のリヤド・アル・アサド大佐は「必要なのは国際社会が(われわれの地上での軍事活動への)後方支援を提供してくれることだ。さらに飛行禁止空域の設定、バッファー(緩衝地帯)の形成、そして現体制にとって重要とみなされる戦略ターゲットへの空爆も望んでいる」と発言している。たしかに、民間人に対する攻撃がこれ以上エスカレートし、外交的、経済的制裁ではアサドの行動を変えることができなければ、軍事介入を選択肢の一つとして検討せざるを得なくなるとはいえ、話は簡単ではない。反体制派が外国に対して「軍事支援を選択的に」求めているからだ。彼の発言は、いまや鮮明になりつつあるシリアの反体制派による要望の特徴を映し出している。これは「外部による軍事介入というメニュー」を見て、介入を要請する側がアラカルトでそのタイプを選んでいることを意味する。・・・・



最近のニュースより

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米ロ対立 シリア情勢で (2月1日)
NHK




ロシアの反対によって安保理が身動きできなくなれば、地域諸国が(宗派その他の思惑から)それぞれシリアの国内勢力に関与し、現地で代理戦争が展開される事態へと陥っていく。――アンドリュー・タブラー

2月号掲載論文



歴史の未来
―― 中間層を支える思想・イデオロギーの構築を

フランシス・フクヤマ


国際通貨システムの未来
―― 再現されるのは1930年代か1970年代か
バリー・エイケングリーン


人民元の国際化路線を検証する
――中国のドル・ジレンマと経済モデル改革論争
セバスチャン・マラビー
オリン・ウェシングトン


いまこそイランを軍事攻撃するタイミングだ
―― 封じ込めは最悪の事態を出現させる

マシュー・クローニッグ


イランはすでに核弾頭を搭載できるミサイルを保有している
マイケル・エルマン

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