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  2011年12月28日更新
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「所有者のいない土地」と化した日本
――その構造問題と固有問題
(1月号プレビュー)

 

「所有者のいない土地」と化した日本
―― 漂流する先進民主国家
(2012年1月号)
チャールズ・クプチャン/米外交問題評議会シニア・フェロー

日本はいまや「所有者のいない土地」と化している。大地震、津波、原発事故の被害を受けた人々への包括的支援策をまとめるのにさえ、考えられないほどに長い時間を要した。グローバル経済に派生する混乱にさらされているにも関わらず、世界で効果的に競争できるほどリベラルなわけでも戦略的なわけでもない。・・・日本は(政策で)結果を管理する能力を失っている。(日本だけではない)。アメリカ、ヨーロッパ、日本が同時に「政治的破綻」を経験している。その理由は、グローバル化が「有権者が政府に対して望むもの」と「政府が提供できるもの」の間のギャップをますます広げてしまったからだ。優れた統治(政治と対策)を求める人々の要求が高まっているにも関わらず、政府がそれに応えられなくなっている。このミスマッチこそ、先進民主世界が現在直面しているもっとも深刻な課題だろう。


なぜ問題に対応できないか
―― 漂流する日本の政治と日米同盟
(2011年9月号)
エリック・ヘジンボサム/ランド研究所シニア・ポリティカルサイエンティスト
エレイ・ラトナー/ランド研究所アソシエート・ポリティカルサイエンティスト
リチャード・サミュエルズ/マサチューセッツ工科大学教授

問題は(日本の)政治家の政策立案能力がまだ十分でないことだ。改革によって(官僚主導から政治主導への)制度上の明確な権限移譲が実現するどころか、むしろ政治家の抗争、政治家と官僚の抗争が誘発され、その結果、権力の空白が生じ、政府の政策決定能力が損なわれている。政治のボラティリティも政治改革のペースを弱め、政策決定を機能不全へと追い込んでいる。これを別にしても、日本は財政・予算赤字で身動きがとれなくなっている。日本の公的債務はGDPの225%に達しており、世界的にみても最悪の状態にある。しかも、地震・ツナミ災害後の再建コストが財政にさらに重くのしかかっている。・・・ワシントンはアジアにおける重要な目標を定義し、それに応じて資源を振り分けていくことを考えるべきだ。日米同盟を守っていくのが最優先課題でなければならないが、ワシントンは他の地域的なパートナーとより緊密に協力していく態勢を整えておくべきだろう。


アメリカの軍事力ではアジアの安定は維持できない
―― 21世紀型東アジア安全保障とは

(2012年1月号)

ズビグニュー・ブレジンスキー
/カーター政権国家安全保障問題担当大統領補佐官

アメリカのアジアにおける今後の役割は、安定維持に向けた地域的なバランサーの役目を担い、アジア諸国が地域的な覇権抗争に陥っていくのを回避できるように助けていくことを目的にしなければならない。そのためには、極東アジア大陸の安定維持に中国が歴史的に果たしてきた地政学的役割を尊重しなければならない。アメリカがインド(あるいはベトナム)と反中国同盟を組織したり、中国を意識した日本の軍事化を促したりすれば、非常に危険な相互の反発を招き入れる。21世紀のアジア大陸における地政学的均衡を(アジアが)非アジアパワー(であるアメリカ)との軍事同盟に依存したり、アメリカ軍事力を用いて直接的に安定を維持したりしていくことはできない。アメリカがアジアの安定を物理的に支えようと試みれば、下手をすると、20世紀のヨーロッパにおける悲劇をアジアで再現することになる。・・・第二次世界大戦後のヨーロッパの政治的安定が、独仏の和解をドイツとポーランドの和解へとつなげていく試みなしでは成立しなかったのと同様に、日中関係の深化を慎重に育んでいくことが、極東における安定強化の起点になる。







日本はいまや「所有者のいない土地」と化している。大地震、津波、原発事故の被害を受けた人々への包括的支援策をまとめるのにさえ、考えられほどに長い時間を要した。・・・世界で効果的に競争できるほどリベラルなわけでも戦略的なわけでもない。・・・日本は(政策で)結果を管理する能力を失っている。(チャールズ・クプチャン)

関連論文



円高と製造業の空洞化という危機を機会とするには
― 日本はヘッドクォーター・ステートになれるか
(2011年8月)
Focal Point


米軍事予算の削減と沖縄― 「海兵隊の機能は日本の政治を不安定化させることでしかない」(2011年12月号)
バーニー・フランク


日本の安全保障とアメリカの政策(1964)(2012年1月号)
ジョージ・ケナン


不透明感漂う日米欧経済
――災害後の日本経済
(2011年5月号)
ピーター・R・フィッシャー他


アメリカは変化するアジアの戦略環境にどう関わるか
――経済と安全保障のバランス
(2011年12月号)
エヴァン・フェイゲンバーム


日本問題 (1986年)(Subscribers' Only公開)
―― 異質な制度と特異性に目を向けよ
カレル・ウォルファレン
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2011.12.26.更新
 
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anthology vol.35
フォーリン・アフェアーズ傑作選2011-2012
先進民主国家の停滞とGゼロの世界

―民主主義ではもう市場経済の問題を解決できない?>>
 
 
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  2011年12月26日更新
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はじけだした中国の住宅市場バブル
―― 迫りくる中国版リーマンショックの危機

 

中国――不動産バブルの崩壊か
(2011年12月、Subscribers' Only公開)
パトリック・チョバネク/
清華大学・経済・マネジメントスクール准教授(MBAプログラム担当)

2011年10月、上海の不動産開発業者が突然高級マンションをそれまでの3分の1の価格で販売し始めた。不動産価格の暴落によってクレジット危機が起き、ビルの屋上から飛び降り自殺をする者が相次ぎ、国を脱出する者もいる。いまや中国の不動産バブルははじけつつある。これまで住宅市場を支えてきたのは強気の不動産開発と中国の個人投資家たちだった。だが、開発業者は住宅在庫を維持していくための融資さえ調達できなくなり、2011年夏までには、ついに住宅在庫を精算し始めた。中国人投資家も不動産市場から資金を引き揚げており、その多くを高い金利を約束する金融商品に投資し始めている。だがこれらの多くは、不動産開発業者や地方債などに投資する商品だ。・・・専門家の多くは、金融商品に不動産リスクが埋め込まれているために、アメリカの不動産担保証券が引き起こした大混乱への道を中国も歩みつつあるのではないかと懸念している。・・・

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誇張された大国、中国の実像
― 持続的成長はあり得ない
(2011年10月号)
サルバトーレ・バボネス/シドニー大学上級講師(社会学・社会政策)

中国ではインフレ圧力が高まっているし、資産バブルがはじける危険もあるが、ほとんどのエコノミストは、中国経済は今後も急速な成長を遂げると予測している。だが、状況は変化し、何かがうまくいかなくなるものだ。そう遠くない将来に、中国の成長率もスローダウンし、かつて高成長を遂げた諸国同様に、成長率は低下していく。専門家は、世界が中国語を学ばなければならないような「アメリカ後の世界」に思いをめぐらすことに興じているが、現実的に考えて、21世紀にそのようなことが起こるはずはない。・・・


中国のバブルははじける
(1994年7月号、12月Subscribers' Only公開)
リチャード・ホーニック/元『タイム』北京支局長

中国経済の未来は希望に満ちているとする予測は果たして正しいのか。 むしろ、可能性が高いのは「資本逃避、バブル経済の崩壊」という最悪のシナリオの方ではないか。・・・限られた国内投資にしても、持続的な経済成長に寄与するような長期的な投資 が行われているわけではなく、単に資金が投機的に運用されているにすぎない。状況が管理不能になる前に、中国政府は、経済のファンダメンタルズをただすとともに、政治・社会面での改革を断行する必要がある。経済改革がもたらした社会的な変化を、さらなる成長に結び付けるには、経済をめぐる法環境の整備とともに、政治的管理体制を緩和させることが不可欠だ。






いまや中国の不動産バブルははじけつつある。・・・専門家の多くは、金融商品に不動産リスクが埋め込まれているために、アメリカの不動産担保証券が引き起こした大混乱への道を中国も歩みつつあるのではないかと懸念している。・・・(パトリック・チョバネク)

関連論文



疾病の蔓延が中国経済を脅かす(2011年12月号)
ヤンゾン・ファン


金融超大国・中国の政治的ジレンマ
―― 重商主義路線か資本の自由化か
(2010年7月号)
ケン・ミラー


論争 日米のバブル崩壊を検証する(2009年4月号、7月号)
リチャード・カッツ
ロバート・マッドセン
R・カッツ… 要旨を読む >>
マッドセン反論、カッツ再反論 要旨を読む >>

最近のニュースより

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北京など10都市が不動産購入制限策の継続を発表=中国(12月23日)
サーチナ


「中国のハワイ」に忍び寄るバブル崩壊の足音−政策が住宅価格を翻弄(12月20日)
ブルームバーグ
 


2011.12.26.更新
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フォーリン・アフェアーズ傑作選2011-2012
先進民主国家の停滞とGゼロの世界

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  2011年12月22日更新
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2012年、朝鮮半島で緊張が高まる理由


金正恩は瀬戸際作戦を
瀬戸際で止めることができるのか
― 金正日後の北朝鮮の選択肢
(2011年12月)
マイケル・グリーン/国際問題戦略研究所シニアアドバイザー

北朝鮮の民衆数十万人を監獄へと送り込み、2度にわたって核実験行い、東京とソウルをターゲットに数百の弾道ミサイルを配備し、偽造医薬品、誘拐、水面下での核関連取引を支持した。これらが、金正日がしでかしたことだ。理屈からいれば、彼のいない世界はより安全で安定したものになるはずだが、そうなるとは限らない。・・・ワシントンの最大の懸念は、後継者である金正恩が北朝鮮軍に対する自らの正統性を確立しようと、我を忘れてしまうことだ。ソウルは、2010年のチョンアン号に対する魚雷攻撃は、後継者に軍事的成功を手にさせるために金正日が指揮をしたとみており、その結果、金正恩はすでに軍事路線に没頭していると考えている・・・北朝鮮のプロパガンダ放送は、金日成の生誕120周年にあたる2012年は、北朝鮮が名実共に核武装国家になる年になると表明している。平壌は、この声明を忠実に実現するあらゆるインセンティブをもっている。だが、2012年といえば、米韓で大統領選挙の年であり、北朝鮮が挑発ゲームを展開すれば不測の事態が起こりかねない、微妙なタイミングだ。・・・・

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新しい朝鮮半島を思い描く
― 毅然たる態度で南北間の信頼を形作る
(2011年9月号)
朴槿恵(パク・クネ)/韓国ハンナラ党前党首

アラインメント政策とは、韓国の安全保障政策を対北協調路線や南北対話路線、さらには国際的な努力と同期化させるアプローチだ。より具体的に言えば、ときに強硬路線をとりながらも、一方で、交渉に対して開放的で柔軟な姿勢を見失わない路線だ。・・・韓国がアラインメント政策を実施するには、まず力強く信頼できる抑止戦略をとり、「もはや暴力的な挑発戦略に韓国が我慢を重ねることはない」とアピールしなければならない。北朝鮮が軍事力や核による恫喝策をとれば、非常に大きな代価を支払うことになることを平壌に理解させなければならない。


「北朝鮮後」に向けた米中事前協議を
― 不測の事態を避けるには
(2011年11月号、Subscribers' Only公開)
スコット・A・スナイダー/米外交問題評議会シニア・フェロー

2010年に北朝鮮がみせた挑発行為によって南北間の緊張は高まり、現在でも紛争が制御不能な形でエスカレートしていくリスクはなくなっていない。北朝鮮が再度挑発行為に及べば、ヨンピョン島砲撃への対応が弱腰だったと批判されただけに、李明博大統領は、武力で報復攻撃することを求める強い政治圧力にさらされるかもしれない。挑発行動の解釈と交渉路線への復帰の前提が見直され、指揮統制の下流における独自の行動が、収拾するのが難しい意図しない紛争、エスカレーションの連鎖を誘発するリスクもある。・・・



最近のニュースより

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北朝鮮が「正恩時代」宣言 遺訓統治示唆=党機関紙(12月22日)
聯合ニュース


米国務長官 北朝鮮すべての核放棄を(12月20日)
NHK
 

2011.12.15.更新




ワシントンの最大の懸念は、後継者である金正恩が北朝鮮軍に対する自らの正統性を確立しようと、我を忘れてしまうことだ。ソウルは、2010年のチョンアン号に対する魚雷攻撃は、後継者に軍事的成功を手にさせるために金正日が指揮をしたとみており、その結果、金正恩はすでに軍事路線に没頭していると考えている(マイケル・グリーン)

関連論文



北朝鮮が権力継承に失敗すれば(2009年3月号)
ポール・スターレス
スコット・A・スナイダー


北朝鮮の急変に備えよ(2009年3月号)
ポール・スターレス
ジョエル・S・ウィット


北朝鮮に対する巻き返し策を
(2010年7月号、8月号、Subscribers' Only12月公開)
C・プリチャード
J・ティレリ
S・スナイダー


内からの崩壊を恐れる平壌
―― なぜ平壌は経済改革路線の導入を拒絶するのか
 (2008年3月号、アンソロジーvol.27掲載)
アンドレイ・ランコフ


北朝鮮を変化させるには
―― 内からの変化を促す交流を

(2009年11月号、Subscribers' Only公開)

アンドレイ・ランコフ


中国の海軍力増強と大中国圏の形成 (2010年6月号)
ロバート・カプラン          
北京は、中国内にいる脱北者数千人を最終的に北朝鮮へと送り込めば、豆満河周辺地域を経済的に支配するのに好都合な政治基盤を現地に構築できると考えている。・・・


日中韓の台頭で流動化する北東アジア秩序
(2007年11月号, Subscribers' Only公開)
ジェーソン・シャプレン
ジェームズ・レーニー


北朝鮮の権力継承と核問題
―― ポスト金正日の北朝鮮はどうなる
 (2008年10月号)
CFRブリーフィング


米韓関係の強化と北朝鮮問題(2011年10月号)
スコット・A・スナイダー
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anthology vol.34
フクシマ後の日本経済とエネルギーを考える>>
 
 
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  2011年12月20日更新
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金正日後の朝鮮半島シナリオ
― 半島の統一と米中の立場


新しい朝鮮半島を思い描く
― 毅然たる態度で南北間の信頼を形作る
(2011年9月号)
朴槿恵(パク・クネ)/韓国ハンナラ党前党首

平壌が核兵器を放棄し、平和的な行動に徹するようになれば、南北間の経済協力を進めることもできる。例えば、南北間の経済特別ゾーンを形成し、人とモノの自由な移動を認めることもできる。この場合、いずれ北朝鮮も世界銀行のような組織からの融資も得られるようになり、外資を魅了できるようになるだろう。このように経済開発が進んでいけば、朝鮮半島により永続的な平和が根付き、これが朝鮮半島の統一を促進し、北東アジアにおける経済、安全保障領域での協調の制度化へと道を開くことになるかもしれない。民主的で統一された朝鮮半島は、この地域における経済、安全保障上の重要なアセットになるはずだ。


中国の朝鮮半島政策と米中関係
― 北朝鮮に対する巻き返し策を
(2010年7月号、8月号、Subscribers' Only12月公開)
チャールズ・プリチャード/朝鮮半島経済研究所会長
ジョン・H・ティレリ/元在韓米軍・米韓連合軍最高司令官
スコット・スナイダー/米外交問題評議会非常勤シニア・フェロー

中国が、統一された朝鮮半島に中国に非友好的な政府が誕生することを警戒しているのも事実だ。北東アジアでの地域的連帯を強化し、より緊密な米中関係を形作ろうとするワシントンの試みを成功させるには、アメリカは朝鮮半島でのアメリカの目的を明確にし、その意図について北京を安心させる必要がある。 われわれタスクフォースは将来の朝鮮半島、そして、統一朝鮮の「原則」について中国との対話を行うことを提言する。この対話で、統一プロセスのシナリオ、統一朝鮮がどのような国になるかというテーマを取り上げていくべくだし、そこで、朝鮮半島における米軍の規模、駐留ポイント、そしてプレゼンスそのものについても協議すべきだし、朝鮮半島非核化へのコミットメントを守るという約束についても話し合うべきだろう。また、中国と朝鮮半島のどのような展開が好ましいとみなすかについて中国と議論する前に、韓国と日本と十分な協議を行って立場を調整しておくべきし、これを中国との議論の基盤としなければならない。

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「北朝鮮後」に向けた米中事前協議を
― 不測の事態を避けるには
(2011年11月号、Subscribers' Only公開)
スコット・A・スナイダー/米外交問題評議会シニア・フェロー

北朝鮮は、政治管理体制の完全な破綻、あるいは、体制内における権力抗争の発生が引き金となって内戦に陥っていく危険がある。権力を競い合う集団がそれぞれに異なる外部アクターに物的支援を求めるかもしれず、この場合、北朝鮮の権力抗争に大国が引き込まれ、地域紛争に拡大していく危険がある。・・・朝鮮半島の未来に関する米中戦略対話を進める必要があるのは明らかだが、米中間の信頼関係が十分ではない。・・・中国は統一のタイミングまでには、北朝鮮が半島の将来に大きな影響力をもつような力強い存在になることを願いつつ、ピョンヤンを支援しているが、これは、たんに崩壊と韓国による半島統一のタイミングを先送りしているに過ぎない。一方、ワシントンもこの状況下では、同盟国にアメリカの防衛コミットメントが信頼できるものであることを何度も保証しなければならなくなる。だが、この動きは、朝鮮半島に関するアメリカの意図を中国に伝える上での障害になる。・・・実際には、将来の朝鮮半島をめぐる本当の安全保障ジレンマは日中間に存在し、これは、朝鮮半島に関する将来の決定に日本の立場をうまく反映させる必要があることを意味する。



最近のニュースより

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平和的な体制移行重視=対北朝鮮、韓国交え連携確認―日米外相会談(12月20日)
ウォールストリート・ジャーナル


<金総書記死去>韓国軍が非常警戒態勢に突入 監視強化(12月19日)
聯合ニュース
 

2011.12.15.更新




中国が、統一された朝鮮半島に中国に非友好的な政府が誕生することを警戒しているのも事実だ。北東アジアでの地域的連帯を強化し、より緊密な米中関係を形作ろうとするワシントンの試みを成功させるには、アメリカは朝鮮半島でのアメリカの目的を明確にし、その意図について北京を安心させる必要がある。(C・プリチャード、J・ティレリ、S・スナイダー)

関連論文



北朝鮮が権力継承に失敗すれば(2009年3月号)
ポール・スターレス
スコット・A・スナイダー


北朝鮮の急変に備えよ(2009年3月号)
ポール・スターレス
ジョエル・S・ウィット


内からの崩壊を恐れる平壌
―― なぜ平壌は経済改革路線の導入を拒絶するのか
 (2008年3月号、アンソロジーvol.27掲載)
アンドレイ・ランコフ


北朝鮮を変化させるには
―― 内からの変化を促す交流を

(2009年11月号、Subscribers' Only公開)

アンドレイ・ランコフ


中国の海軍力増強と大中国圏の形成 (2010年6月号)
ロバート・カプラン          
北京は、中国内にいる脱北者数千人を最終的に北朝鮮へと送り込めば、豆満河周辺地域を経済的に支配するのに好都合な政治基盤を現地に構築できると考えている。・・・


日中韓の台頭で流動化する北東アジア秩序
(2007年11月号, Subscribers' Only公開)
ジェーソン・シャプレン
ジェームズ・レーニー


北朝鮮の権力継承と核問題
―― ポスト金正日の北朝鮮はどうなる
 (2008年10月号)
CFRブリーフィング


米韓関係の強化と北朝鮮問題(2011年10月号)
スコット・A・スナイダー
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金正日後の朝鮮半島シナリオ
― 不測の事態を避けるには


金正日後、不測の事態を避けるには
― 「北朝鮮後」に向けた米中事前協議を
(2011年11月号、Subscribers' Only公開)
スコット・A・スナイダー/米外交問題評議会シニア・フェロー

北朝鮮は、政治管理体制の完全な破綻、あるいは、体制内における権力抗争の発生が引き金となって内戦に陥っていく危険がある。権力を競い合う集団がそれぞれに異なる外部アクターに物的支援を求めるかもしれず、この場合、北朝鮮の権力抗争に大国が引き込まれ、地域紛争に拡大していく危険がある。・・・朝鮮半島の未来に関する米中戦略対話を進める必要があるのは明らかだが、米中間の信頼関係が十分ではない。・・・中国は統一のタイミングまでには、北朝鮮が半島の将来に大きな影響力をもつような力強い存在になることを願いつつ、ピョンヤンを支援しているが、これは、たんに崩壊と韓国による半島統一のタイミングを先送りしているに過ぎない。一方、ワシントンもこの状況下では、同盟国にアメリカの防衛コミットメントが信頼できるものであることを何度も保証しなければならなくなる。だが、この動きは、朝鮮半島に関するアメリカの意図を中国に伝える上での障害になる。・・・実際には、将来の朝鮮半島をめぐる本当の安全保障ジレンマは日中間に存在し、これは、朝鮮半島に関する将来の決定に日本の立場をうまく反映させる必要があることを意味する。

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北朝鮮が権力継承に失敗すれば・・・
(2009年3月号)
ポール・B・スターレス/CFR紛争予防担当シニア・フェロー
スコット・A・スナイダー/CFR朝鮮半島研究非常勤シニア・フェロー

厄介なのは、平壌の派閥、あるいは特定の個人が、後継問題、権力継承プロセスを絶対権力を手にするための機会とみなし、権力抗争を開始することだ。・・・さまざまな集団が権力抗争を展開し、社会秩序が崩壊するような事態に陥れば、われわれは北朝鮮からの大規模な難民流出という事態に直面する。おそらく難民の多くは、国境線の垣根が低い中国へと向かうだろうが、一方で、韓国へと向かう難民も少なからずいるだろう。国境地帯で挑発的な軍事行動がとられる可能性もある。北朝鮮軍内部で何が起きているかを突き止めようとする周辺国の治安部隊、情報収集部隊と北朝鮮軍の小競り合いが予期せぬ形でエスカレートしていく危険がある。


北朝鮮の急変に備えよ
(2009年3月号)
ポール・B・スターレス/米外交問題評議会シニア・フェロー
ジョエル・S・ウィット
/コロンビア大学ウエザーヘッド東アジア研究所シニア・フェロー

北朝鮮体制内の派閥や高官の間で反目がみられることはかねて指摘されてきた。これが真実なら、金正日の後継ポストをめぐって個人または派閥が激しく競い合う危険がある。「自分たちの派閥こそ正統な後継勢力だ」と各派が強く主張し、かりに有力な後継者が現れても、他の勢力がその正統性を認めないかもしれない。イデオロギーとは関係なく、最高指導者のポストをめぐって文字通りの権力抗争が起きるか、後継者が決まっても、政治路線の対立が先鋭化し、危機へと至る恐れもある。・・・



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北朝鮮は、政治管理体制の完全な破綻、あるいは、体制内における権力抗争の発生が引き金となって内戦に陥っていく危険がある。権力を競い合う集団がそれぞれに異なる外部アクターに物的支援を求めるかもしれず、この場合、北朝鮮の権力抗争に大国が引き込まれ、地域紛争に拡大していく危険がある。・・・(スコット・A・スナイダー)

関連論文



北朝鮮を変化させるには
―― 内からの変化を促す交流を

(2009年11月号、Subscribers' Only公開)

アンドレイ・ランコフ


内からの崩壊を恐れる平壌
―― なぜ平壌は経済改革路線の導入を拒絶するのか
 (2008年3月号、アンソロジーvol.27掲載)
アンドレイ・ランコフ


中国の海軍力増強と大中国圏の形成 (2010年6月号)
ロバート・カプラン          
北京は、中国内にいる脱北者数千人を最終的に北朝鮮へと送り込めば、豆満河周辺地域を経済的に支配するのに好都合な政治基盤を現地に構築できると考えている。・・・


日中韓の台頭で流動化する北東アジア秩序
(2007年11月号, Subscribers' Only公開)
ジェーソン・シャプレン
ジェームズ・レーニー


北朝鮮の権力継承と核問題
―― ポスト金正日の北朝鮮はどうなる
 (2008年10月号)
CFRブリーフィング


米韓関係の強化と北朝鮮問題(2011年10月号)
スコット・A・スナイダー


新しい朝鮮半島を思い描く (2011年11月号)
―― 毅然たる態度で南北間の信頼を形作る

朴槿恵(パク・クネ)

最近のニュースより

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金正日総書記死去、韓国は緊急警戒態勢を宣言(12月19日)
CNN


<金総書記死去>韓国軍が非常警戒態勢に突入 監視強化(12月19日)
聯合ニュース
 
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誇張された大国、中国の実像
― 「経済大国」か「アジアの病人」か

(フォーリン・アフェアーズ・リポート12月号)


誇張された大国、中国の実像
― 持続的成長はあり得ない
(2011年10月号)
サルバトーレ・バボネス/シドニー大学上級講師(社会学・社会政策)

たしかに現在の中国は、1870年当時と比べれば、欧米に対して政治的、軍事的により強い立場にある。当然、今後、一世紀にわたって悲劇的な局面へ向かって衰退の道を歩み始めるとは考えにくい。しかし、だからとって、世界でもっとも豊かな国への道を駆け上っていくとは限らない。過去20年間における中国の劇的な台頭は、「出生率の低下」と「段階的な都市化」という、二つの一度限りの要因によって刺激されてきた。この二つの要因は、経済生産性を大きく高めることに貢献したが、その作用には限界があり、将来、同じことは再現できない。・・・


疾病の蔓延が中国経済を脅かす
― 中国は「アジアの病人」なのか
(2011年12月号)
ヤンゾン・ファン/米外交問題評議会シニア・フェロー

経済成長ばかりを気に懸ける中国の指導者たちは、深刻な公衆衛生部門の問題を見落としている。毛沢東が築いた公衆衛生システムが1980年代初頭に崩壊して以降、政府が医療や公衆衛生に支出する対GDP比予算の比率は減少し続け、その結果、中国はHIV/AIDS、結核、ウイルス性肝炎などの病原体やウイルスの脅威だけでなく、非感染性疾患(慢性疾患)にもうまく対処できずにいる。問題は、中国政府が医療ケアの提供を、市民の権利としてではなく、市民に対するチャリティとみなしていることだ。しかも、中央・地方政府に対する評価が手堅い経済成長を実現できるかどうかで判断されるために、中国の官僚たち、特に地方の役人たちは医療ケアを強化・促進していくというインセンティブを持っていない。お粗末な医療の現状を放置すれば、中国の政治・経済の安定そのものが脅かされることになる。


ユーラシアに迫りくるHIVの脅威
―人的犠牲が伴う政治・経済・軍事的帰結
(2011年12月Subscribers' Only公開、2003年1月号掲載)

ニコラス・エバースタット/アメリカン・エンタープライズ研究所議長

中国のHIV/AIDS感染者数が猛烈なスピードで増えているのは間違いない。中国当局、UNAIDSともに、中国のHIV感染者数が毎年二〇〜三〇%の比率で増加していることを認めている。米疾病管理センター(CDC)も、中国でのHIV感染率、感染者数が今後三十カ月の間に倍増する危険があると警告を発している。中国でのHIV感染の主な経路は三つある。性産業の爆発的な拡大によって婚外交渉が増えたこと、注射針を用いた麻薬の使用、そして、輸血用血液のための売血行為が横行していることだ。売血は、経済システム移行期にある中国の現実を反映するような現象だ。農村部での共同体の消滅とともに、公衆衛生システムも崩壊し、医者も患者も資金不足にあえいでいる。こうしたなか、困窮した農民たちは、血頭などの違法血液ビジネス組織に血を売るようになった。こうした違法ビジネスでの採血の際に、清潔な新しい針が使われることはなく、これが汚染を広げている。さらに、より大規模なリスク・グループがいわゆる流民たちだ。都市部での雇用を求めて農村部から移動してくる人々の数は一億を超える。こうした環境下、性行動が大きく変化している。これを裏づけるように、八五年から二〇〇一年の間に、性交渉による一連の感染症の報告例は八五年前のレベルに比べて実に百倍に達している。・・・



2011.12.15.更新




中国はHIV/AIDS、結核、ウイルス性肝炎などの病原体やウイルスの脅威だけでなく、非感染性疾患(慢性疾患)にもうまく対処できずにいる。問題は、中国政府が医療ケアの提供を、市民の権利としてではなく、市民に対するチャリティとみなしていることだ。・・・(ヤンゾン・ファン) 写真は、中国阜陽市におけるHIV/AIDSの孤児への影響を描いたドキュメンタリーフィルム「The Blood of Yingzhou District」から。

関連論文



中国経済の今後が明るくない三つの理由 (2009年12月号)
スティーブン・デュナウェイ


中国経済は本当に成長しているのか
――経済失速か内需拡大か
 (2009年12月号)
スティーブン・ローチ


中国は新たな国際ルールの確立を目指す
 (2011年12月Subscribers' Only公開、2010年11月号掲載)
エリザベス・エコノミー


HIV・AIDS対策とグローバルヘルスの課題(2011年7月号)
ローリー・ギャレット

最近のニュースより

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来年の中国経済、8.5%成長に鈍化へ=人民銀行金融政策委員(12月12日)
ロイター


中国でHIV感染経路広がる、感染者78万人の半数が気づかず(12月1日)
サーチナ
 
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ロシアの「死にゆく社会」と日本の少子高齢化
― 2つの人口減少を考える
(フォーリン・アフェアーズ・リポート12月号)


ロシアの「死にゆく社会」
―想定外の人口減少はロシアをどう変えるか
(2011年12月号)
ニコラス・エバースタット/アメリカン・エンタープライズ研究所政治経済部長

この20年間、ロシアでは、戦時でもないのに人口が減少するという極めて異例の現象が続いている。総人口は減り、死者の数が増え、人的資源が危険なまでに損なわれている。都市化が進んだ教育水準の高い社会で、しかも平時において、なぜこれほど死亡率が高いのか、その理由は謎に包まれている。ドイツ、日本、イタリアの3カ国は人口が持続的に減少する寸前にあるか、既にそのパターンに陥っている。しかしこれらの国とロシアの間には根本的な違いがある。このままでは、人口の減少がロシアの経済と軍事力を大きく損なうのは避けられない。問題は、ロシア政府が人口減少トレンズを認識しつつも、危機の深刻さを過小評価し、対策の効果を過大評価していることだ。人口減によって、モスクワは世界経済のパイに占める比率が小さくなることを覚悟しておくべきだし、すでにロシアの軍事力、特に兵力面で大きな制約が作り出されている。自信を失ったモスクワはいずれ無謀な対外行動をとるようになるかもしれない。兵力の低下と軍事技術の衰退に直面したロシア軍の高官たちが、核兵器使用の敷居を低くする恐れは十分ある。・・・


人口高齢化にどう対処する
―日本システムから退出する企業と個人
(アンソロジーvol.32掲載)

レオナード・J・ショッパ/バージニア大学准教授

移民の受け入れ規制を緩和させれば、労働人口の急激な低下ペースに少しは歯止めをかけられるかもしれない。しかし国連は、労働人口の減少を埋め合わせるには、日本は今後50年にわたって年間70万人の移民を受け入れ続けなければならないと試算しており、これは移民をほとんど受け入れてこなかった日本にとっては、どう考えても無理な数字だ。現在の成人労働人口と退職者人口の比率は4対1だが、2025年にはその比率が2対1になると考えられる。しかも日本ほど急速に人口の高齢化が進んでいる国はない。社会保障や医療保険システムの崩壊が警告されているアメリカでさえも、2025年における労働人口対退職者人口の比率は3・25対1にとどまると予測されている。どう見ても、日本は真の危機に直面している。政府の社会保障支出に占める高齢者用の年金や医療保険関連支出の比率は現在40%だが、これが2025年までに60%を超える可能性もある。CIAとムーディーズが日本経済の先行きを悲観的に見たのは、政府がすでに膨大な債務を抱え込んでいることに加えて、人口高齢化という重荷を背負っていくのに必要とされる資金を、日本政府が今後いかに調達していくか不透明な状況にあるからだ。


高齢人口と若年人口
―70億の人口を地球は支えきれるのか
(2011年12月号)
ジョン・ボンガーツ/人口評議会副会長、人口統計学者

世界の人口動態の多様性は非常に高まっている。アフリカのように急速な人口増大を経験している諸国がある一方で、日本やヨーロッパの一部のように、いまや出生率が低下し、長寿化している国がある。出生率が低下し、寿命が長くなれば、人口が高齢化し、65歳以上の人口が総人口に占める比率が大きくなる。多くの場合、これらの高齢者は公的な年金や医療保険に依存しているために、高齢化が急速に進むと、こうした社会保障負担を支えていくのは財政的に難しくなる。どちらが問題を抱えているかと聞かれれば、私なら、若年人口の多いマリよりも、すでに大きな問題を抱えているとしても日本で生活したい。高齢社会によって大きな問題を抱えているとはいえ、日本のほうが快適な生活を送れる。・・・






もちろん人口の減少はロシアだけでなく、豊かな先進国を含め現代社会に共通する現象になりつつある。G7(先進7カ国)のメンバーであるドイツ、日本、イタリアの3カ国は人口が持続的に減少する寸前にあるか、既にそのパターンに陥っている。しかしこれらの国とロシアの間には根本的な違いがある。・・・(ニコラス・エバースタット)

関連論文



世界を変える四つの人口メガトレンズ  (2010年11月号)
―― 先進国の衰退と途上国の台頭をどう管理するか

ジャック・ゴールドストーン
欧米を中心とする先進国は人口面でも経済面でも衰退し、世界経済の拡大はブラジル、中国、インド、インドネシア、メキシコ、トルコ等の新興途上国の経済成長によって刺激される。しかも、若者の多い途上国から労働力不足の先進国へと大きな人の流れが必然的に起きるし、一方で、経済基盤の脆弱な途上国の若年人口が世界で大きな混乱を作り出す恐れもある。 ・・・


新興国の少子化で世界経済の成長は減速する(2010年11月号)
ニコラス・エバースタット
全般的に言って、すべての先進経済国家の人口は減少し、社会は高齢化していく。だが、こうしたトレンズによってもっとも脅かされているのが日本だ。米統計局によると、今後20年間で、死亡率が出生率を大幅に上回るために、日本の人口は1億2700万から1億1400万へと10%低下する。労働力人口の低下はより急激で、8100万人から6700万人へと17%低下すると試算されている。・・・


人口動態でみるアラブ世界の民衆蜂起
――「ユースバルジ」が中東を変える?
 (2011年3月号)
ラグイ・アサード


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 ユーロ救済を妨げるヨーロッパの政治
― ユーロゾーン危機とドイツの政治


ユーロゾーンの将来を左右するヨーロッパの政治
―ECBは最後の貸し手になれるか
(2011年12月号)
トーマス・フィリポン/ニューヨーク大学ビジネススクール准教授
ベン・ステイル /米経済問題評議会国際経済ディレクター

自己資本比率を9%に引き上げるように求められた銀行は、結局、資本を増強するよりも、資産を減らしているようだ。これによって、イタリア国債が犠牲になっている。・・・・最終的には、欧州中央銀行(ECB)の資本が間違いなく再構築されると市場が考えるようにならない限り、ユーロ離れは加速し、ユーロは崩壊することになる。問題は、投資家がドイツ政府と有権者がECBを最終的に支えるとは考えていないことだ。(B・ステイル)

イタリアが債務を返済できるかどうかは、新政府が構造改革を実施できるかどうかがポイントになる。・・・短期的、つまり、今後2―3年については重要になるのは政治だ。経済的解決策そのものはきわめてシンプルだ。ECBが行動を起こせば、イタリアの債務危機は簡単に解決できる。だが、ECBが動けるかどうかを左右するのが、ドイツの政治とイタリアの政治だ。(T・フィリポン)


ヨーロッパの新しいドイツ問題
―指導国なきヨーロッパ経済の苦悩
(2011年12月号)
マティアス・マタイス/アメリカン大学准教授
マーク・ブリス /ブラウン大学教授

20世紀の多くの時期を通じて、「ドイツ問題」がヨーロッパのエリートたちを苦しめてきた。他のヨーロッパ諸国と比べて、ドイツが余りに強靱で、その経済パワーが大きすぎたからだ。こうして、NATOと欧州統合の枠組みのなかにドイツを取り込んでそのパワーを抑えていくことが戦後ヨーロッパの解決策とされた。だが、現在のドイツ問題とはドイツの弱さに派生している。ユーロ危機を引き起こしている要因は多岐にわたるが、実際には一つのルーツを共有している。それは、ドイツがヨーロッパにおける責任ある経済覇権国としての役割を果たさなかったことだ。・・・


ユーロ危機とヨーロッパの政治
(2012年1月号掲載予定)
モーリジオ・モリナーリ/ スタンパ紙 駐米コレスポンデント
アンドリュー・ナゴルスキー/イーストウェスト・インスティチュート 副会長
エレイン・シオリーノ/ニューヨークタイムズ紙 パリ支局

ドイツはECBが(周辺国の国債を買い入れるなど)大規模な資金を提供すれば、インフレがおきるのではないか警戒し、危機に直面している国が改革を実行しなくなることを恐れている。・・・「何をすべきなのかは誰もが分かっているが、それを実行して、再選されるかどうか誰も確信が持てずにいる」。だがドイツの場合、どうすべきかについてのコンセンサスもない。(A・ナゴルスキー)

イタリア、フランス、スペインは、ECBが、アメリカの連邦準備制度のように、より積極的な介入策をとることを望んでいる。だが、ドイツは立場を明確にしない。(M・モリナーリ)



2011.12.9.更新

 



最終的には、欧州中央銀行(ECB)の資本が間違いなく再構築されると市場が考えるようにならない限り、ユーロ離れは加速し、ユーロは崩壊することになる。問題は、投資家がドイツ政府と有権者がECBを最終的に支えるとは考えていないことだ。(B・ステイル) 写真はECB総裁マリオ・ドラギ。

関連論文



独仏合意の危うさ (2011年12月)
―― 財政改革路線はいずれ大きな嵐に遭遇する

セバスチャン・マラビー


政府債務の増大とユーロ危機 (2011年12月号)
―― A・メルケルの政治的ジレンマ
アラン・グリーンスパン


解体か統合の維持か、瀬戸際のEU (2011年12月号)
――ユーロ危機で揺るがされるヨーロッパ・プロジェクト

チャールズ・クプチャン


マリオ・モンティはイタリアを救えるか(2011年12月号)
パオロ・マナッセ


インソルベンシーと資金不足を区別した危機対策を
――ユーロゾーンの再構築を
 (2011年11月号)
ヒューゴ・ディクソン

最近のニュースより

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イタリア首相、ユーロ圏共同債導入で「ドイツ説得は可能」(12月12日)
ロイター


ECBの役割拡大期待に冷や水、金融政策関与に限界−ドイツ連銀総裁 (12月12日)
ブルームバーグ
 
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  2011年12月9日更新
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 イランへの軍事攻撃か、封じ込めか
―― 核武装と核戦争のリスクを検証する
(12月号プレビュー)


イランへの軍事攻撃か、
核武装と核戦争のリスクを受け入れるか
(2011年12月号)
エリック・S・エデルマン/元米国防次官
アンドリュー・F・クレピネビッチ/米戦略予算分析センター会長
エヴァン・B・モントゴメリー/米戦略予算分析センター リサーチフェロー

核分裂の連鎖を引き起こす中性子発生装置など、核兵器生産に必要な、さまざまなパーツの生産をイランが試みていたことが今回のIAEAリポートで明らかになった。すでにテヘランはウラン濃縮を進め、兵器級ウランを生産できる低濃縮ウランの備蓄を増やしている。つまり、IAEAの分析が正しいとすれば、イランは数カ月で核兵器を生産できるようになる。仮にイランが核武装して中東が核時代に突入すれば、そこに出現する核秩序は非常に不安定なものになる。(イランが数発の核弾頭を獲得しても、イスラエルは100―200の核弾頭をすでに保有しており)こうした核戦力の規模の違いゆえに、何らかの危機が起きれば、双方は相手に先制攻撃をかける大きなインセンティブをもつようになるからだ。・・・・・・アメリカは程なく、イランの核武装化を阻むために軍事力を行使すべきか、それとも、核武装したイランと地域的核戦争というリスクを受け入れるかという困難な選択に直面することになる。

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核武装後のイランにどう対処するか
(2010年3月号、4月号)(Subscribers' Only12月公開)
ジェームズ・M・リンゼー/米外交問題評議会研究部長
レイ・タキー/米外交問題評議会シニア・フェロー

核開発プログラムは、今ではイランの国家アイデンティティを規定する重要な要素になりつつあり、テヘランは核兵器の開発をすでに決意している。イランが核武装して以降の悪夢のシナリオを描くのは簡単だ。「イスラエルは直ちに核兵器を発射できるように核の臨戦態勢に入り、イラン、イスラエルの双方が、数分間で破壊されるような状況に置かれる。エジプト、サウジアラビア、トルコが一気に核武装を試み、核不拡散条約は破綻し、世界中で核拡散潮流が起きる」。こうした悪夢のシナリオが現実になる可能性もある。だが、・・・


もしイスラエルがイランを攻撃すれば
(2010年4月号)
スティーヴ・サイモン
/米外交問題評議会中東担当非常勤シニア・フェロー

「イランの核開発はイスラエルの存在を脅かす実存的脅威であり、イラン空爆作戦を実施してもアメリカとの関係が大きく動揺することはなく、一方で状況を放置すれば、民衆と国家が大きな危険にさらされる」。イスラエルがこう判断すれば、軍事行動をとるべきだという意見が趨勢になる。たしかに、核施設への空爆を実施しても、イランは核開発計画を立て直して再開し、今後は、核開発の多くを地下施設で進めて防衛態勢を強化し、イスラエルはこれに応じて情報収集・軍事能力を高めていかなければならなくなるだけだ、という考えもある。だが、核開発計画の完成を先送りし、時間を稼ぐことの価値も無視できないと考える人もいる。・・・



 



IAEAの分析が正しいとすれば、イランは数カ月で核兵器を生産できるようになる。仮にイランが核武装して中東が核時代に突入すれば、そこに出現する核秩序は非常に不安定なものになる。双方は相手に先制攻撃をかける大きなインセンティブをもつようになるからだ。・・・(エデルマン、クレピネビッチ、モンゴメリー)

関連論文



オバマ政権はイランに政策的にどう関与していくべきか(2008年10月)
バリ・R・ナサル
レイ・タキー
リチャード・ハース


対イラン制裁ではウラン濃縮を阻止できない理由(2010年9月号)
ホセイン・G・アスカリ


イスラエルはイランの核施設を近く攻撃する?(2008年7月号)
CFRブリーフィング


新たな核拡散潮流を阻止するには(2010年8月号)
――北朝鮮、イランよりも、周辺国への核開発の連鎖を
   封じ込めよ

グレゴリー・シュルテ

最近のニュースより

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イランが無人機の映像放映=核施設の位置特定に使用か−米(12月9日)
時事通信


イラン、核燃料の自力製造に成功…通信社報道(12月7日)
読売新聞
 


2011.12.9.更新
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 米国防予算削減と沖縄の基地問題
――軍事的後退戦略で変化する日米同盟
(12月号プレビュー)


国防予算削減に即した
対外コミットメントの見直しを
――紛争介入戦略の終わり
(2011年9月号)

リチャード・ベッツ/米外交問題評議会非常勤シニア・フェロー

アメリカの国防予算に大なたが振るわれるのは間違いない。予算の削減に応じて、コミットメントを引き下げる必要がある。アメリカの国家安全保障への影響が直接的に生じるのでない限り、今後、外国の問題や紛争への介入についてはより慎重でなければならない。これは第二次世界大戦前のアメリカの軍事スタイルに戻る必要があることを意味する。この時期のアメリは、外国での軍事活動に深く関与する常設軍を持っていなかった。極論すれば、私はこの時代へと米軍は回帰していくしかないと思っている。


米軍事予算の削減と沖縄
――「海兵隊の機能は日本の政治を
不安定化させることでしかない」

(2011年12月号)
バーニー・フランク/米下院議員

われわれは沖縄から海兵隊を撤退させることができる。沖縄の海兵隊の機能は、いまや日本の政治を不安定化させることでしかない。実際、保守政権に代わって日本で民主党政権が誕生して以降、(海兵隊のプレゼンスは)日本の政治を混乱させ続けている。・・・沖縄の海兵隊を配備する戦略目標は中国を封じ込めることだと私は聞かされてきた。だが、すこしやり過ぎではないか。中国が近海のシーレーンを封鎖して、経済的自殺をするとは思わない。


外国からの米前方展開軍の撤退を
――軍事的後退戦略で米経済の再生を
(2011年12月号)
ジョセフ・M・パレント/マイアミ大学政治学准教授
ポール・K・マクドナルド/ウェルズリー大学政治学准教授

アジアでも米軍のプレゼンスを削減する余地は十分にある。日本と韓国の領土保全を維持し、中国や北朝鮮の冒険主義を封じ込めるには、日韓にそれぞれ駐留する3万の兵力ではなく、強固な予備役部隊がバックアップする緊急展開戦力で十分だ。在日米軍、在韓米軍の規模を段階的に20%削減し、一方で、他の戦力をグアムやハワイに移転しても、現在と同じ戦略機能をより効率的に果たせる。後退戦略をとっても、国際秩序が不安定化するとは限らないし、むしろ、アメリカの改革と復活に向けた基盤を作り出せる。


漂流する日本の政治と日米同盟
(2011年9月号)

エリック・ヘジンボサム/ランド研究所シニア・ポリティカルサイエンティスト
エレイ・ラトナー/ランド研究所アソシエート・ポリティカルサイエンティスト
リチャード・サミュエルズ/マサチューセッツ工科大学教授

海兵隊を沖縄から移動させても、ほとんどの緊急事態において作戦遂行上の大きな支障は生じないし、海兵隊の移動は沖縄県民にも歓迎される。東京への政治圧力も低下し、最終的には、日米同盟も強化されるだろう。・・・日本は今後もアメリカにとって必要不可欠の同盟国だ。しかし、ワシントンは両国の関係が、アメリカのアジア戦略の一部であることを認識しなければならない。アメリカは、韓国、オーストラリア、東南アジアの他のパートナーとのアレンジメントも強化していくべきだろう。他の戦略パートナー諸国へのアクセスの改善と基地合意を模索すれば、アメリカは日本におけるもっとも重要な米軍のアセットを温存しつつ、その規模とプレゼンスを削減できるはずだ。…ワシントンは日本の政治的ボラティリティと袋小路に迷い込んだ政策決定システムに配慮しつつも、アメリカの軍事プレゼンスを変化させる提案については、それが作戦行動上、そして同盟戦略にどのような意味合いを伴うかを詳細に検討しなければならない。



2011.12.2.更新

 



在日米軍、在韓米軍の規模を段階的に20%削減し、一方で、他の戦力をグアムやハワイに移転しても、現在と同じ戦略機能をより効率的に果たせる。(J・パレント、P・マクドナルド)

関連論文



アメリカは変化するアジアの戦略環境にどう関わるか
―― 経済と安全保障のバランス
 (2011年12月号)
エヴァン・フェイゲンバーム                要旨を読む >>

バーニー・フランク下院議員は、アジアへの安全保障コミットメントが大きすぎると言っていが、私はそうは思わない。アジアの安定した安全保障が脅かされる可能性は十分にある。かろうじてアジアが安定を保てているのは、これまで一貫してアメリカがアジアで手堅い安全保障上の役割を果たしてきたからだ。


日米同盟の安定化シナリオ
―― アジアの冷戦と日本 
(1964年発表論文、2012年1月号掲載予定)

ジョージ・ケナン                   本文を読むには >>

米国政府にとっては、条約をそのまま保持し自動的に更新させるかわりに、早い段階に協議を開始し、現在の取り決めが果たして望ましいのかどうか、さらにその期限をどうするかについて、日本政府側にその見解を明らかにさせるという方策のほうが、儀礼的にも政治的にも得策であろう。・・・


アジアの米軍基地再編と沖縄 (2011年8月号)
―― 普天間移設問題に関する米議会の立場

ジム・ウェッブ


日米安全保障条約50周年の足跡と展望
――いまも安保はグランドバーゲンか?
(2010年3月号)
ジョージ・パッカード
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最近のニュースより

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在沖海兵隊「撤退できる」 米民主党・フランク氏(12月6日)
琉球新報


【NewsBrief】中国国防省、米軍の豪駐留計画を批判(12月1日)
ウォールストリート・ジャーナル
 
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 独仏合意が露わにしたヨーロッパの新ドイツ問題
――衝突する経済と政治
(12月号プレビュー)


独仏合意の危うさ
―― 財政改革路線はいずれ大きな嵐に遭遇する
(2011年12月)

セバスチャン・マラビー/米外交問題評議会地政経済学センター所長

問題は、イタリアの財政改革、一方での(周辺国の債務をユーロの債務として引き受けることを嫌う)ドイツの頑迷な態度という組み合わせでヨーロッパの危機を解決できるかどうかだ。他の諸国、特に(イタリアだけでなく)スペインも改革路線を維持できれば、ユーロゾーンはかろうじて維持できるかもしれない。だが、ヨーロッパの改革支持派は避けようのない嵐を堪え忍ばなければならない。財政改革路線も、ギリシャ経済の完全なメルトダウン、あるいはヨーロッパの主要な金融機関の破綻によって、覆されるかもしれないからだ。・・・


マリオ・モンティはイタリアを救えるか
(2011年12月号)
パオロ・マナッセ/ボローニャ大学経済学教授

次の選挙で無責任だと批判されないように、ベルルスコーニ率いる「自由の人民連合」のタカ派とハト派が手を組んで、モンティ政権を支持する可能性もある。だが、これが、イタリアにとっては最悪のシナリオだ。タカ派はいずれ離反し、新政府が固定資産税を導入しようものなら、「モンティは共産主義者だ」と批判して政治的得点を稼ごうとするはずだ。タカ派は支持を撤回して、選挙の実施を求めるだろう。切実に必要とされる構造改革の先行きに暗雲が立ちこめれば、金利スプレッドはさらに拡大する。ベルリンと欧州中央銀行(ECB)は眉をひそめ、イタリアはIMF(国際通貨基金)に救済支援を求める。ローマは債務のロールオーバーができず、国債の43%を引き受けている国内銀行の破綻が相次ぎ、最終的にイタリアはディフォルトに陥る。


指導国なきヨーロッパ経済の苦悩
――ヨーロッパの新しいドイツ問題

(2011年12月号)

マティアス・マタイス/アメリカン大学准教授
マーク・ブリス /ブラウン大学教授

20世紀の多くの時期を通じて、「ドイツ問題」がヨーロッパのエリートたちを苦しめてきた。他のヨーロッパ諸国と比べて、ドイツが余りに強靱で、その経済パワーが大きすぎたからだ。だが、現在のドイツ問題とはドイツの弱さに派生している。ユーロ危機を引き起こしている要因は多岐にわたるが、実際には一つのルーツを共有している。それは、ドイツがヨーロッパにおける責任ある経済覇権国としての役割を果たさなかったことだ。かつてアメリカの歴史家C・キンドルバーガーは「1933年の世界経済会議ではさまざまな案が出されたが、リーダーシップを発揮できる立場にあった国の指導者が、国内の懸念に配慮するあまり、状況への傍観を決め込んでしまった」と当時の経済覇権国の姿勢を批判したが、これは、現在のドイツにそのままあてはまる。・・・・




2011.12.2.更新

 




(c)Federal Photo Archive

問題は、イタリアの財政改革、一方での(周辺国の債務をユーロの債務として引き受けることを嫌う)ドイツの頑迷な態度という組み合わせでヨーロッパの危機を解決できるかどうかだ。・・・ヨーロッパの改革支持派は避けようのない嵐を堪え忍ばなければならない。(S・マラビー)

関連論文



解体か統合の維持か (2011年12月号)
―ユーロ危機で揺るがされる「ヨーロッパ」プロジェクト

チャールズ・クプチャン


欧州中央銀行は最後の貸し手になれるか(2011年12月号)
トーマス・フィリポン
ベン・ステイル


政府債務の増大とユーロ危機(2011年12月号)
アラン・グリーンスパン


インソルベンシーと資金不足を区別した危機対策を
――ユーロゾーンの再構築を
   
(2011年11月号)

ヒューゴ・ディクソン



危機の本質は何か (2011年11月号)
――ユーロゾーン危機を封じ込めるには

ヤコブ・キルケガード


債務減免措置、自己資本比率強化、EFSFの拡充でユーロ危機は本当に収束するか (2011年11月号)

セバスチャン・マラビー
ベン・ステイル

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独仏が共同提案、S&Pはユーロ圏15カ国の格付け見直しへ(12月6日)
ロイター


イタリア首相、3兆円規模の財政再建策を発表(12月5日)
CNN.co.jp
 
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 ユーロ危機の解決を阻むヨーロッパの政治
―― EU条約改正では危機を解決できない
(12月号プレビュー)


財政統合ではなぜ危機に対処できないか
――ユーロゾーンの再構築を
(2011年11月号)

ヒューゴ・ディクソン/ロイター・ブレイキングニュースエディター

財政領域の統合が近い将来に実現するはずはなく、特に、現在の危機を財政統合で解決できるような早いタイミングでそれが実現することはあり得ない。そのためには条約が必要になるし、すべてのメンバー国が条約に批准する必要があるからだ。・・・ヨーロッパで最大の資金を持つドイツは、財政統合というアイディアに必ずしも否定的ではないが、まず目の前にある危機を解決した上で、統合に向けた長期的なプロセスをこなしていくべきだと考えている。さらに、各国が借り入れる資金に上限を課し、このルールを破った国にはペナルティを課すことも求めている。オランダのマルク・ルッテ首相は、欧州委員会にヨーロッパの財政を統括するポストを設けて、各国がルールを守っているかどうかの監視にあたらせるべきだと発言している。今後もルールを破り続ける国に対しては、財政担当の統括者が増税を求めるなど、経済運営の改善を求められるようにすべきだ、と彼は提言している。だが、仮にこれらが実現するとしても、それは遠い将来の話だ。


解体か統合の維持か
――ユーロ危機で揺るがされる「ヨーロッパ」プロジェクト
(2011年12月号)

チャールズ・クプチャン/CFRヨーロッパ担当シニア・フェロー

ユーロ危機は表面的には経済的危機だが、そのルーツは政治領域にある。最大の間違いは、単一通貨をEUの統治構造を変化させずに導入したことだ。EU内部では、メンバー国の主権とEUの能力と権限とのバランスが議論されている。ユーロが共通通貨として導入されたのは2002年。そして2009年にリスボン条約によって大統領ポスト、共通外交・安全保障政策上級代表のポスト、そして欧州対外行動局が新設された。そして現在は、ユーロゾーンの財政と税制を一定枠に収め、収斂させていくための監督機構を立ち上げるかどうかが議論されている。問題は、こうしたポジションや組織が導入されたことでEUの能力と権限が引き上げられ、超国家性を高める方向へと向かいつつある一方で、各国の政治がより国益を重視したナショナリスティックなものになり、結果的に、EUへの支持がかつてなく落ち込んでいることだ。


A・メルケルの政治的ジレンマ
――政府債務の増大とユーロ危機

(2011年12月号)

アラン・グリーンスパン/前連邦準備制度理事会議長

ユーロ圏北部がギリシャ、ポルトガル、スペインその他に資金を注ぎ込んでいることそのものが問題だ。その資金はどのように計上されるか。ユーロ圏の債務として計上される。これまでに何が起きたかを考えるべきだ。1999年1月以降、ヨーロッパ北部は巨大な経常黒字を計上し、南部は経常赤字になった。・・・南の国、そしてユーロ圏の債務が肥大化していくにつれて、北部の政治家は国内で政治圧力にさらされ始めた。この段階でのアンゲラ・メルケルにとっての課題は、ギリシャに注ぎ込んでいる資金のことを、支援ではなく、ユーロという自国の経済からみれば安い通貨を維持して、輸出を促進するためのコストとして「政治的に」いかに位置づけるかにあった。だが、・・・・



2011.12.2.更新

 



南の国、そしてユーロ圏の債務が肥大化していくにつれて、北部の政治家は国内で政治圧力にさらされ始めた。この段階でのアンゲラ・メルケルにとっての課題は、ギリシャに注ぎ込んでいる資金のことを、支援ではなく、ユーロという自国の経済からみれば安い通貨を維持して、輸出を促進するためのコストとして「政治的に」いかに位置づけるかにあった。だが、・・・(A・グリーンスパン)

関連論文



ヨーロッパの新しいドイツ問題 (2011年12月号)
――指導国なきヨーロッパの苦悩


危機を引き起こしている要因は多岐にわたるが、実際には一つのルーツを共有している。それは、ドイツがヨーロッパにおける責任ある経済覇権国としての役割を果たしていないことだ。

マティアス・マタイス
マーク・ブリス



欧州中央銀行は最後の貸し手になれるか(2011年12月号)
トーマス・フィリポン
ベン・ステイル


マリオ・モンティはイタリアを救えるか(2011年12月号)
パオロ・マナッセ


危機の本質は何か (2011年11月号)
――ユーロゾーン危機を封じ込めるには

ヤコブ・キルケガード


債務減免措置、自己資本比率強化、EFSFの拡充でユーロ危機は本当に収束するか (2011年11月号)

セバスチャン・マラビー
ベン・ステイル



米のバランスシートリセッション、欧州の債務危機、 そして新興国経済 (2011年10月号)

ルイス・アレキサンダー
ブルース・C・カスマン
スティーブン・S・ローチ


最近のニュースより

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仏独首脳が5日にパリで会談、EU条約の修正も視野(12月5 日)
ロイター


仏・独 EU条約改正案5日発表へ(12月2日)
NHK
 
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