Foreign Affairs Japan / フォーリン・アフェアーズ・リポート

 
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    2010年11月30 日更新
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ウィキリークス事件を考える
――情報公開と安全保障の間


ウィキリークスでの外交文書流出事件の今後を読む
How to Read WikiLeaks

リチャード・ハース/米外交問題評議会会長
むしろ(ウィキリークスに)情報が出たことで安心できるような案件もある。
例えば、アメリカと韓国が北朝鮮の国家解体、朝鮮半島の統一に対する中国の警戒感をいかに緩和させていくかをめぐって踏み込んだ協議をしていることが分かったのは、むしろ良いことだろう。最近の朝鮮半島の事態からみても、地域的、世界な平和の脅威となるこの地域の混乱と危機を収拾させる唯一の方法は半島の統一しかないからだ。
インターネットと相互接続権力の台頭
エリック・シュミット/グーグル最高経営責任者
ジャレッド・コーエン/グーグル・アイデアズ・ディレクタ
(2010年12月号)
開放性と自由の原則は、国家安全保障上の機密情報を守る立場にある政府の立場と一部で衝突する。だが一方で、民主国家政府は、「管理と検閲」という価値を拡大しようとしている中国などの国々が持つ優位に屈服しないように、「自由と開放性」の価値を堅持していく必要もある。・・・・
ロシアの政治・経済を支配するシロヴィキの実態
―― 連邦保安庁というロシアの新エリート層

アンドレイ・ソルダトフ/Agenture.Ruの共同設立者
アイリーナ・ボローガン/Agenture.Ruの共同設立者
(2010年12月号)
ロシアの情報治安当局は、ビデオ監視装置の映像から、人々の飛行機や汽車の切符の購入状況、はては指紋までを電子データとして蓄積している。ロシア内務省は、いずれ犯罪捜査に役立てようと「過激派データベース」を構築し始めている。政府によれば、この作業は2010年11月までに完了する予定で、このデータを内務省、FSB、FPS庁が共有する。こうしたモスクワの監視体制の強化は、通信の秘密を含むプライバシーの保護を保障した1993年のロシア憲法に抵触する行動のように思える。
全文を読むには >>
インターネットは自由も統制も促進する 
――政治的諸刃の剣としてのインターネット

イアン・ブレマー/ ユーラシア・グループ代表
(2010年12月号)
中国のインターネットユーザーは、サイバースペースで目にするアイディアや意見が、それを書き込んだ人の本当の意見かどうか、確信できない状態にある。その理由は、北京が言論操作の手段として五毛党を組織しているからだ。五毛党はオンラインの評論部隊で、政府は、微妙な問題をめぐって共産党の立場を支持するブログやメッセージボードへのポスティングをしたメンバーに報奨金を与えることで、その活動を奨励している。

 

関連論文



ペンタゴンの新サイバー戦略 ――なぜアメリカはサイバー軍を立ち上げたか(2010年10月号)
ウィリアム・J・リン三世


サイバー攻撃に対する防衛策を ――サイバーインフラの多様性を高めてリスク管理を (2007年7月号)
ウェズリー・K・クラーク
ピーター・L・レビン


進化するサイバー戦争 (2008年4月号)
CFRブリーフィング


いまそこにあるサイバー攻撃という脅威 (2001年8月号)
ジェームス・アダムズ

最近のニュースより

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公電流出「国際社会への攻撃」と非難 刑事捜査も開始(11月30日)
CNN.co.jp


機密リークは犯罪だ=米司法長官(11月30日)
ウォールストリート・ジャーナル


首脳酷評やスパイ続々…「裏の顔」暴露、オバマ政権痛手
(11月30日)
朝日新聞

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Anthology vol.32
フォーリン・アフェアーズで日本を考える

―制度改革か、それとも日本システムからの退出か
1986-2010

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2010.11.30.更新

 
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    2010年11月26日更新
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中国とインドの台頭
――多極化するアジアの未来



アジアは多極化し、中国の覇権は実現しない
キショール・マブバニ/シンガポール国立大学行政大学院院長
(2010年12月号)
アジアの国際環境は多極化していく。中国が台頭しているとはいえ、誰もがアメリカがアジアでの強固なプレゼンスを維持していくことを願っているし、インドもパワーをつけて台頭しているからだ。この環境では、中国は地政学的に非常に慎重な行動をとらざるを得ない。中国にとっての悪夢のシナリオは、あまりに高圧的な路線をとって反発を買い、アメリカ、日本、ロシア、インド、さらにはベトナム、オーストラリアを結束させてしまうことだ。当然、中国はこの悪夢のシナリオが現実と化すのを避けようとするだろうし、自国の行動をもっと慎重に考えるようになると思う。誰もが唯一の超大国として中国が台頭してくるのではないかと心配しているが、私はそうはならないと考えている。(K・マブバニ)
欧米とアジアの相互依存は成立するか
――中国、インド、欧米の相互作用とアジアの未来

サイモン・タイ /シンガポール国際問題研究所(SIIA)理事長
(2010年10月号)
中国とインドを中心とするアジア経済は、このままめざましい成長を続け、欧米世界からは距離をおくようになるのか、それとも、依然としてアジアは欧米を必要としているのか。経済・金融危機が起きるまでは、アジア経済の統合が進めば、アメリカの消費者に頼らずとも、アジア経済は成長を維持できるという立場の「ディカップル論」に合理的な根拠があるようにも思えた。しかし、危機が深刻化するにつれて、アジア経済と欧米経済のディカップルなどあり得ないことが明らかになっていく。アメリカの需要が急速に落ち込むと、アジア全体、特に中国の生産がすぐさま打撃を受けた。だが、アメリカ市場への依存を抑えようとするアジアの取り組みも始まっている。内需を高め、アジアの貯蓄を米国債の購入にばかりあてずにアジアにとどまるようにするための、新しい金融メカニズムの構築が試みられている。流れはどちらへと向かうのか。そして、地域的、そして世界的に経済モデルとして注目されるのは中国経済、インド経済のどちらなのか。
さらなる台頭を目指すインドが克服すべきハードルとは――政治、経済的台頭と対米関係
エバン・A・フェイゲンバーム /米外交問題評議会アジア担当シニア・フェロー
(2010年04月)
インドは、経済成長を持続させるための国内改革への政治的支持を得ようと、格差対策として、社会保障制度の充実を試み、さらなる成長の基盤を整備するために、インフラ投資も増やしている。台頭したインドは、混乱の絶えない近隣地域よりも、むしろ、東アジアに目を向けるようになった。パキスタン以上に、中国を警戒するインドは、オーストラリア、日本、シンガポール、ベトナムという、同様に中国の台頭を警戒する諸国との関係を重視している。中国の強大化を警戒する東アジア諸国も、大きくて豊かなインドのことを、地域的なパワー・バランスの支えとみなしている。しかし、経済であれ、外交であれ、インドが今後のさらなる台頭を確実なものにしていくには、国内の教育・労働・治安問題を改善し、アメリカとの立場の違いを克服していく必要がある。米印は、アフガニスタン、パキスタン、中国をめぐって次第に明らかになりつつある立場の違いをうまく調整し、管理していく必要がある。

 

関連論文



インド経済モデルの誕生か――成功の検証と今後の課題
(2006年7月)
グーチャラン・ダス


中国とインド、経済的勝利を手にするのはどっちだ
(2007年7月)
マンジート・N・クリパラニ
アダム・シーガル


インドの将来を「思い描く」― 弱点を優位に変えた国の将来は (2009年8月)
エドワード・ルース


米印関係は反中同盟の布石なのか――台頭するインドとバランス・オブ・パワー (2006年9月)
C・ラジャ・モハン


台頭する中印とインド洋の時代――21世紀の鍵を握る海洋
(2009年3月)
ロバート・D・カプラン

最近のニュースより

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インド経済が2012年に日本超え世界3位に=印メディア
(11月18日)
サーチナ


インド財務相:向こう数十年間の「高成長」見通しで投資を呼び掛け (11月15日)
ブルームバーグ

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北朝鮮に対する巻き返し策を


北朝鮮に対する巻き返し策を  Part1
チャールズ・プリチャード/朝鮮半島経済研究所会長
ジョン・H・ティレリ/元在韓米軍・米韓連合軍最高司令官
スコット・スナイダー/外交問題評議会非常勤シニア・フェロー
(2010年7月号)
これまで北朝鮮は、核実験を含む、アメリカが定義するレッドラインをことごとく公然と越えてきたが、それでも懲罰措置の対象とされることはなかった。・・・残された唯一のレッドラインとは、「北朝鮮がNPTの枠組みに復帰しない限り、非国家アクターによる核テロが起きた場合に、アメリカは北朝鮮のことを主要な容疑者とみなし、アメリカの即時報復攻撃の対象とする」と警告することだ。・・・オバマ政権にとっての課題は、アメリカの警告の信頼性をいかに高めるかにある。

・・・われわれタスクフォースは将来の朝鮮半島、そして、統一朝鮮の「原則」について中国との対話を行うことを提言する。この対話で、統一プロセスのシナリオ、統一朝鮮がどのような国になるかというテーマを取り上げていくべくだし、そこで、朝鮮半島における米軍の規模、駐留ポイント、そしてプレゼンスそのものについても協議すべきだし、朝鮮半島非核化へのコミットメントを守るという約束についても話し合うべきだろう。また、中国と朝鮮半島のどのような展開が好ましいとみなすかについて中国と議論する前に、韓国と日本と十分な協議を行って立場を調整しておくべきし、これを中国との議論の基盤としなければならない。
論争 北朝鮮ウラン濃縮疑惑の真相
ロバート・ガルーチ/前国務省政策企画局長
ミッチェル・リース/元国務次官補
リチャード・ガーウィン/トマス・J・ワトソン研究所名誉IBMフェロー
セリグ・ハリソン/米国際政策センター(CIP)アジア計画部長
(2005年3月号)
北朝鮮のウラン濃縮活動についてはすでに多くの情報が公開されているが、次に指摘する二つのポイントが特に重要だ。まず、ニュース・メディアが伝えたように、世界規模の核の闇市場をパキスタンから管理していたA・Q・カーンは、遠心分離器の試作品と設計図を北朝鮮に提供したことを認めており、これによって平壌は高速遠心分離器を用いた濃縮ウランの生産を開始できるようになった。(リース&ガルーチ)

セリグ・ハリソンは、ワシントンが(北朝鮮が生産しているとして)批判の対象としている「兵器級HEU」をつくるよりも、軽水炉を動かす燃料であるLEUを生産するほうがはるかに簡単だと指摘している。だが実際には、遠心分離器による濃縮なら、LEU(U238におけるU235の比率が四・四%)の生産同様に、HEU(U235の比率が九五%)も簡単に生産できる。(リチャード・ガーウィン)
北朝鮮の権力継承と核問題
――ポスト金正日の北朝鮮はどうなる

(2008年10月)
金正日重病説が取りざたされるようになった2008年9月、北朝鮮は寧辺の核再処理施設の封印をはがし、同施設への国際原子力機関(IAEA)査察官の立ち入りを禁止し、監視カメラを外すという行動に出た。これによって、北朝鮮の核解体を最終目的に続けられてきた6者協議は暗礁に乗り上げたことになる。平壌は、1週間以内に再処理施設に使用済み核燃料を入れ、施設を再稼働するとさえ表明した(寧辺の核施設は、重油95万トン相当の経済・エネルギー支援と長期的な外交的インセンティブの見返りに核開発を停止することに合意した2007年7月以降、閉鎖されていた)。

 
 

関連論文



北朝鮮が権力継承に失敗すれば…… (2009年3月)
ポール・B・スターレス
スコット・A・スナイダー


対北朝鮮制裁を行い、金正日後に備えよ
(フォーリン・アフェアーズ・コラム2009年4月)
ビクター・チャ


4人の専門家が分析する 北朝鮮の核、権力継承、経済制裁、外交交渉の行方 (2009年7月)
チャールズ・ファーガソン、ポール・B・スターレス、デビッド・C・カング、チャールズ・プリチャード


「核のない世界」と核拡散という現実 ――北朝鮮、イランと核不拡散 (2009年7月)
ウィリアム・ペリー、ブレント・スコークロフト



最近のニュースより

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「重大かつ継続的脅威」=対北圧力で国際社会結集−米大統領(11月24日)
時事通信


北と韓国軍の砲撃、中国が双方に自制求める (11月23日)
読売新聞

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アメリカはなぜ、ウラン濃縮疑惑を巡り北朝鮮に翻弄されたか


論争 北朝鮮ウラン濃縮疑惑の真相
ロバート・ガルーチ/前国務省政策企画局長
ミッチェル・リース/元国務次官補
リチャード・ガーウィン/トマス・J・ワトソン研究所名誉IBMフェロー
セリグ・ハリソン/米国際政策センター(CIP)アジア計画部長
(2005年3月号)
北朝鮮のウラン濃縮活動についてはすでに多くの情報が公開されているが、次に指摘する二つのポイントが特に重要だ。まず、ニュース・メディアが伝えたように、世界規模の核の闇市場をパキスタンから管理していたA・Q・カーンは、遠心分離器の試作品と設計図を北朝鮮に提供したことを認めており、これによって平壌は高速遠心分離器を用いた濃縮ウランの生産を開始できるようになった。(リース&ガルーチ)

セリグ・ハリソンは、ワシントンが(北朝鮮が生産しているとして)批判の対象としている「兵器級HEU」をつくるよりも、軽水炉を動かす燃料であるLEUを生産するほうがはるかに簡単だと指摘している。だが実際には、遠心分離器による濃縮なら、LEU(U238におけるU235の比率が四・四%)の生産同様に、HEU(U235の比率が九五%)も簡単に生産できる。(リチャード・ガーウィン)
対北朝鮮制裁を行い、金正日後に備えよ
ビクター・チャ/前米国家安全保障会議アジア担当部長
(フォーリン・アフェアーズ・コラム2009年4月)
北朝鮮に和平条約を申し入れ、アメリカとの関係正常化というアメを与えることで、北朝鮮の核の野望を取り下げさせることを提案する専門家もいるが、そうした取引は逆効果だ。むしろ北朝鮮の強硬派は核兵器を保有する正当化の理屈をそのような提案のなかに見いだし、一方、日本はアメリカによる安全保障が信頼できるどうかを心配しだすことになる。
北朝鮮の権力継承と核問題
――ポスト金正日の北朝鮮はどうなる

(2008年10月)
金正日重病説が取りざたされるようになった2008年9月、北朝鮮は寧辺の核再処理施設の封印をはがし、同施設への国際原子力機関(IAEA)査察官の立ち入りを禁止し、監視カメラを外すという行動に出た。これによって、北朝鮮の核解体を最終目的に続けられてきた6者協議は暗礁に乗り上げたことになる。平壌は、1週間以内に再処理施設に使用済み核燃料を入れ、施設を再稼働するとさえ表明した(寧辺の核施設は、重油95万トン相当の経済・エネルギー支援と長期的な外交的インセンティブの見返りに核開発を停止することに合意した2007年7月以降、閉鎖されていた)。
イスラエルは自国の核保有を認めるべきだ
アブナー・コーエン/モントレー国際問題不拡散研究センターシニアフェロー
マービン・ミラー/マサチューセッツ工科大学科学・技術・社会研究プログラム
リサーチ・アソシエート
(2010年11月号掲載)

 
 

関連論文



北朝鮮が権力継承に失敗すれば…… (2009年3月)
チャールズ・ファーガソン


核不拡散と原子力の平和利用を両立させる道はあるか
(2010年3月)
チャールズ・ファーガソン


4人の専門家が分析する 北朝鮮の核、権力継承、経済制裁、外交交渉の行方 (2009年7月)
チャールズ・ファーガソン、ポール・B・スターレス、デビッド・C・カング、チャールズ・プリチャード


もしイスラエルがイランを攻撃すれば (2010年4月)
スティーヴ・サイモン


「核のない世界」と核拡散という現実 ――北朝鮮、イランと核不拡散 (2009年7月)
ウィリアム・ペリー、ブレント・スコークロフト



最近のニュースより

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外相、米特別代表と会談へ=北朝鮮核問題への対応協議
(11月22日)
時事通信


北朝鮮に新ウラン濃縮施設の報告、米が韓国に代表団派遣 (11月22日)
CNN Japan

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北朝鮮、イランとイスラエルの核
――核のない世界の実現に向けた障害と曖昧さを排除せよ


最近、日本を訪問したイスラエル政府高官は、イランと北朝鮮はミサイル開発計画での協力関係を強化していると警告し、イランによる核拡散の脅威を強調した。だが、11月号の「イスラエルは自国の核保有を認めるべきだ」の論文の著者たちが指摘するとおり、イランの核開発を告発するには、イスラエルは核保有国であることを認めて核不拡散レジームに参加し、イラン、そして北朝鮮に対する「道徳的優位」を確立すべきかもしれない。イスラエルはこれまで核を保有していることを確認も否定もしない曖昧な路線をとってきた。著者たちによれば、周りを敵に囲まれていることへの恐怖、そしてホロコーストの悪夢がこの曖昧なイスラエルの核路線には大きく関係している。だが、核のない世界というビジョンが支持される一方で、北朝鮮が再度、核実験の準備を進め、イランが核開発の成功に近づいている現状において、イスラエルが、核の不確認路線を止めて、核不拡散を明確に支持すれば、軍事攻撃以上に大きな外交的衝撃をつくりだせるかもしれない。(FAJ)
イスラエルは自国の核保有を認めるべきだ
アブナー・コーエン/モントレー国際問題不拡散研究センターシニアフェロー
マービン・ミラー/マサチューセッツ工科大学科学・技術・社会研究プログラム
リサーチ・アソシエート
(2010年11月号掲載)
このままでは核拡散の大潮流が起きる
―― 危機感をもって核不拡散レジームの再確立を

グレアム・アリソン/ハーバード大学政治学教授
(2010年2月号)
 「イランが今後数年間で核実験を行った場合、その後10年もすれば、中東にはイラン以外にも核保有国が出現しているだろう。・・・アメリカの情報コミュニティの一部は、サウジとパキスタンの国家安全保障担当者が「イスラムの核の移転および輸出をめぐって」すでに接触を開始しているとみている・・・北朝鮮の核能力の進化を前に、「信頼できる抑止力を独自に形成する必要がある」と日本が結論すればどうなるか。2000キロの高濃縮ウランとうまく考案された(宇宙衛星打ち上げ用の)衛星プログラムを持つ日本は、非常に短期間で本格的な核戦力を整備できるだろう」
対北朝鮮制裁を行い、金正日後に備えよ
ビクター・チャ/前米国家安全保障会議アジア担当部長
(フォーリン・アフェアーズ・コラム2009年4月)
北朝鮮に和平条約を申し入れ、アメリカとの関係正常化というアメを与えることで、北朝鮮の核の野望を取り下げさせることを提案する専門家もいるが、そうした取引は逆効果だ。むしろ北朝鮮の強硬派は核兵器を保有する正当化の理屈をそのような提案のなかに見いだし、一方、日本はアメリカによる安全保障が信頼できるどうかを心配しだすことになる。

1963年、部分的核実験禁止条約に調印するケネディ大統領。ケネディは、何らかの手をうたない限り、核拡散が一気に進むと確信していた。
 

関連論文



もしイスラエルがイランを攻撃すれば (2010年4月)
スティーヴ・サイモン


核不拡散と原子力の平和利用を両立させる道はあるか
(2010年3月)
チャールズ・ファーガソン


北朝鮮が権力継承に失敗すれば…… (2009年3月)
ポール・B・スターレス
スコット・A・スナイダー


最近のニュースより

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北朝鮮、3度目の核実験準備か 衛星写真で政府確認
(11月18日)
朝日新聞


北とイランの軍事協力阻止を=イスラエル副外相 (11月16日)
時事通信

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中国が日本を抜いて世界で第2の経済大国へ
――GDPでわかることと、わからないこと


GDP(国内総生産)でみた日中逆転はいまや確実視されている。だが、GDPで国の経済を計ることへの疑問を表明する専門家も多い。例えば、一人当たりGDPでみれば、上位50位にも入らない中国は、日本にもアメリカに大きく引き離されている。ただし、この指標でみたランキング首位はルクセンブルクで、日本とアメリカはそれぞれ22位、14位にランクインしているに過ぎない。いまでは、GDPの増大による人々の幸福感の向上には限界があるとみなす経済理論もある。だが、依然としてGDPがもてはやされる理由の一つは、それが、国力、対外的影響力を計る主要な指標とみなされているからだ。国がどの経済指標を重視するかは、人々がどのような生活を望んでいるかに左右される時代に入っている(FAJ)
一人当たり所得は、経済の洗練度を計る指標の一つだが、これを基に考えるとどうなるだろうか。2030年以降、中国が6%の経済成長を、アメリカが2%の経済成長を遂げると仮定しても、21世紀半ばまで、中国が一人当たり所得で、アメリカのレベルに達することはあり得ない。つまり、中国は見事な経済成長と人口増大ゆえに、いずれ経済規模ではアメリカを上回るようになるかもしれないが、だが、それで、同等の経済を実現したということにはならない。
アメリカパワーの将来
ジョセフ・ナイ/ハーバード大学教授
(2010年12月号掲載予定)
 「中国経済はアメリカの3倍のペースで成長しており、今後、数十年のうちに経済生産面で中国はアメリカを追い越すだろう」と米衰退論者は考えている。だが、どうすれば、一人当たり所得でみると16倍のア メリカを中国が追い抜けるのか分からない。・・・中国政府が資源を社会サービスや社会保障にシフトさせてゆけば、輸出と輸出主導型成長は必然的に落ち込んでいく。 この点でドイツのケースとの比較は示唆に富む。ドイツの場合、輸出がGDPに占める比率は中国と変わらないが、GDPの3分の1を福祉国家としての予算に振り分けている。その結果、ドイツの過去10年間における平均成長率は1・5%に留まっている。しかも、いまや中国政府は輸出(成長)と社会保 障(社会的安定)のどちらかを選ばざるを得ない困難な選択に直面している。
21世紀を主導するのはアメリカか中国か
―― アメリカ衰退論も中国の台頭論も誇張されている

ジョセフ・ジョフィ/独ツァイト紙共同編集長
(2009年10月号)
GDPは一人当たり経済生産として表されるために、全般的な経済生産の増減はわかるが、社会の特定層がどのような状況に置かれているかはわからない。国の GDPが上昇しても、貧困層はますます貧しくなっているかもしれない。実際、所得格差が労働者の生産性を低下させ、社会不安を増大させると指摘する研究も あり、所得格差の増大が経済にマイナスに作用するリスクもある。
GDPは万能ではない。
だが、代替経済指標はあるのか?

ロヤ・ウォルバーソン/CFR.org Staff Writer
(2010年10月号)

 
  

関連論文



ポストケ小平改革が促す中国の新対外戦略 ――中国は新たな国際ルールの確立を目指す(2010年11月)
エリザベス・エコノミー


赤字と債務がアメリカのソフトパワーを脅かす―― アメリカがギリシャ化するのを避けるには (2010年11月)
ロジャー・アルトマン
リチャード・ハス


新興国の少子化で世界経済の成長は減速する
(2010年11月号)
ニコラス・エバースタット


短期的回復と持続的成長のバランスをどこに求めるか――景気刺激策と財政赤字の間 (2010年11月号)
ヤコブ・A・フレンケル、ステフェン・S・ローチ、セバスチャン・マラビー


世界を変える四つの人口メガトレンズ ――先進国の衰退と途上国の台頭をどう管理するか (2010年11月号)
ジャック・A・ゴールドストーン


最近のニュースより

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GDP:中国の世界2位確実に(11月15日)
毎日新聞


中国GDP、7〜9月期も日本を逆転 (11月15日)
日本経済新聞

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中国の新対外路線で変化した東アジアの戦略環境
――日米は共通の利害認識を形成できるか


経済成長を続け、国内の政治的安定をはかるという最優課題を維持していくには、これまでのやり方を見直す必要があるとすでに北京は判断しているし、この事実をすでにオバマ政権は認識している。もちろん、今後、中国民衆の不満がどこに向かうか、中国の新対外戦略に世界がどう反応するかで、中国の新路線の成否は大きく左右される。だが、中国が国内問題を踏まえて対外新路線を打ち出しているのに対して、R・ハース&R・アルトマンが指摘するように、債務と赤字、そして失業問題に苦しむアメリカの内政と外交の歯車がますますかみ合わなくなってくるおそれもある。日本はといえば、もはや変化に対応することさえできなくなっているかにみえる。中国が新たなルール確立に動きだすなか、民主的価値と制度を共有する日米関係の未来はどこにあるのか。(FAJ)
ポストケ小平改革が促す中国の新対外戦略
―― 中国は新たな国際ルールの確立を目指す

エリザベス・エコノミー /米外交問題評議会アジア担当ディレクター
(2010年11月号掲載)
中国は自国に有利なようにグローバルな規範を作り替えたいと考えている。次なる改革に向けた国内の必要性を満たしてくには、外部環境を作り替えるような対外路線が不可欠だと考えているからだ。責任ある利害共有者という概念はもう忘れたほうがよい。国際社会のゲームルールそのものを書き換えたいと望む中国は、国際機関でのより大きな影響力を確保することを模索し、軍事力を増強し、国内での技術革新を排他的に試みている。世界各国は、ポストケ小平革命がどんなものであるかを理解し、その世界的な衝撃を想定し、備える必要がある。
日米安全保障条約50周年の足跡と展望
――いまも安保はグランドバーゲンか?

ジョージ・パッカード/米日財団会長
(2010 年3月号)
 ワシントンは、鳩山政権が普天間問題をめぐる結論を出すのに、もっと時間を与えるべきだ。より全般的には、民主党が選挙で勝利を収めたことを、アメリカが手助けをして蒔いた民主主義の種が日本で根を張ったことの証しとして、もっとも祝福して評価すべきだ。この点での認識ができれば、日本がペンタゴンの要請に対してこれまでのようにおとなしく従うと期待すべきではないこと、そして、日本の政党が安全保障問題をめぐって独自の見解をもつ権利を持っていることを理解できるようになるはずだ。・・・日本における米軍部隊と基地のプレゼンスを小さくしていく代わりに、日本政府は相互安全保障と世界の平和のためにより大きな貢献をしなければならないし、集団的自衛のための活動に参加する権利を持っているとはっきりと表明すべきだろう。
赤字と債務がアメリカのソフトパワーを脅かす
―― アメリカがギリシャ化するのを避けるには

ロジャー・アルトマン/元米財務副長官
リチャード・ハース/米外交問題評議会会長
(2010年11月号)
アメリカの対GDP比債務残高は2015年には100%に達する恐れがある。これは、アメリカの債務が現在のギリシャやイタリアと同じ債務レベルになることを意味する。政府が赤字・債務削減プログラムを導入しない限り、金融市場にペナルティを課されるのは避けられなくなる。現状を放置すれば、緊縮財政を余儀なくされ、国防予算も削減対象にされる。アメリカの市場経済資本主義モデルの魅力も廃れ、中国流の権威主義経済モデルがますます大きな注目を集め、世界はますます無極化していく。・・・・アメリカの外交、対外路線、今後の国際関係にも非常に深刻な悪影響が出る。

 
   

関連論文



中国が重視する 国内技術革新路線と保護主義 ――メードインチャイナからイノベーティドインチャイナへ (2010年11月)
アダム・シーガル


レアアース輸出制限にみる中国の戦略 (2010年10月)
エリザベス・エコノミー


中国の真意はどこに ――人民元、南シナ海、領有権論争 (2010年10月号)
スティーブン・デュナウェイ、エリザベス・エコノミー、ジョシュア・クランジック


「中国の台頭」の戦略的意味合い――アジアは中国の一極支配になるのか (2010年1月号)
アーロン・L・フリードバーグ


大中国圏の形成と海軍力増強 ――中国は東半球での覇権を確立しつつある (2010年6月号)
ロバート・カプラン


ホノルル、ハーバード、ハイドパーク ―バラク・オバマの政治的変遷 (2010年8月号)
ウォルター・ラッセル・ミード


最近のニュースより

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米、人民元切り上げ継続要求 オバマ氏が胡主席と会談(11月12日)
共同通信


胡主席が最終決断へ=日中首脳会談前提に調整(11月12日)
時事通信

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フォーリン・アフェアーズで日本を考える

―制度改革か、それとも日本システムからの退出か
1986-2010

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2010.11.9.更新

 
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    2010年11月11日更新
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米中協調はなぜ幻想なのか
――中国の新対外路線が作りだす国際的波紋


経済成長を続け、国内の政治的安定をはかるという最優課題を維持していくには、これまでのやり方を見直す必要があるとすでに北京は判断している。南シナ海、東シナ海での強硬路線、レアアース輸出の削減、IMFでの議決権拡大、そして海軍力の増強など、これらはすべて、経済成長を続け、国内の政治的安定をはかるための新対外構想に基づく国際環境整備策の一環であり、そして、その対外構想は、経済成長を続け、国内の政治的安定をはかるための新しい国内改革構想、つまり、ポストケ小平改革路線に根ざしている。国内改革に政治改革も含まれている。だが、この新改革の成否は、移行にともなう不安定化のなかで、中国民衆の不満がどこに向かうか、中国の新対外戦略に世界がどう反応するかに左右される。
ポストケ小平改革が促す中国の新対外戦略
―― 中国は新たな国際ルールの確立を目指す

エリザベス・エコノミー /米外交問題評議会アジア担当ディレクター
(2010年11月号掲載)
中国は自国に有利なようにグローバルな規範を作り替えたいと考えている。次なる改革に向けた国内の必要性を満たしてくには、外部環境を作り替えるような対外路線が不可欠だと考えているからだ。責任ある利害共有者という概念はもう忘れたほうがよい。国際社会のゲームルールそのものを書き換えたいと望む中国は、国際機関でのより大きな影響力を確保することを模索し、軍事力を増強し、国内での技術革新を排他的に試みている。世界各国は、ポストケ小平革命がどんなものであるかを理解し、その世界的な衝撃を想定し、備える必要がある。
米中G2構想という幻想
――対中多国間アプローチを

エリザベス・エコノミー/米外交問題評議会アジア担当ディレクター
アダム・シーガル/米外交問題評議会シニアフェロー
(2009年5月号)
グローバルな課題に対応していく上でアメリカは中国の協力を必要としている。だが、この観点から米中の二国間関係を強化しようと試みても、利益認識や価値観の違い、政策遂行能力の違いが災いして、うまくパートナーシップを形成するのは現実には難しい。中国との協力という言葉は心地よい響きを持つが、実際にはそれが一筋縄ではいかないことを認めなければならない。結局は混乱に直面して双方が反発しあうことになる。
中国が重視する 国内技術革新路線と保護主義
――メードインチャイナからイノベーティドインチャイナへ

アダム・シーガル/米外交問題評議会シニアフェロー
(2010年11月号掲載)
中国は、今後15年間で中国を技術革新型国家へと変貌させ、21世紀半ばまでに科学技術大国の座を射止めたいと考えている。問題はいかに、貿易を締め付けず、外国企業を差別せずに、国内の技術革新を刺激するかだ。現在のように、技術開発促進策の一環として保護主義路線、重商主義路線をとれば、中国は諸外国との間で大きな国際的火種を新たに抱え込むことになる。

 
   

関連論文



レアアース輸出制限にみる中国の戦略 (2010年10月)
エリザベス・エコノミー


中国の真意はどこに ――人民元、南シナ海、領有権論争 (2010年10月号)
スティーブン・デュナウェイ、エリザベス・エコノミー、ジョシュア・クランジック


「中国の台頭」の戦略的意味合い――アジアは中国の一極支配になるのか (2010年1月号)
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大中国圏の形成と海軍力増強 ――中国は東半球での覇権を確立しつつある (2010年6月号)
ロバート・カプラン


中国人研究者が表明した「北京コンセンサス」の終わりとは
(2010年2月)
Issue in This Month


最近のニュースより

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「自由なき繁栄は貧困」 米大統領、中国流の開発を牽制(11月10日)
朝日新聞


中国などが米金融緩和への批判強める、G20首脳会議控え(11月10日)
ロイター通信

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1986-2010

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    2010年11月8日更新
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赤字削減プログラムの導入か、それとも市場によるペナルティを待つのか
―追い込まれた先進国と超大国


膨れあがる一方の財政赤字、債務問題は日米欧の先進国に共通する問題だ。とくに、日本とヨーロッパの場合、人口減少、労働力人口の低下に伴う社会保障負担、医療コストの増大がこれに追い打ちをかける。しかも、アメリカやヨーロッパが労働力としての移民の流入を期待できるのに対して、日本はそうではないし、アラン・グリーンスパンが指摘するように、いずれは日本も国際市場から資金を調達しなければならなくなるXデイに直面する。加えて、円高の問題もある。日本の新しい制度設計が必要なタイミングにきているのは明らかだが、一方で、財政、金融政策、プライマリー・バランスをめぐって、欧米の専門家の意見から日本が学べる部分は依然として数多くある。(FAJ)
赤字と債務がアメリカのソフトパワーを脅かす
―― アメリカがギリシャ化するのを避けるには

ロジャー・アルトマン/元米財務副長官
リチャード・ハース/米外交問題評議会会長
(2010年11月号)
アメリカの対GDP比債務残高は2015年には100%に達する恐れがある。これは、アメリカの債務が現在のギリシャやイタリアと同じ債務レベルになることを意味する。政府が赤字・債務削減プログラムを導入しない限り、金融市場にペナルティを課されるのは避けられなくなる。現状を放置すれば、緊縮財政を余儀なくされ、国防予算も削減対象にされる。アメリカの市場経済資本主義モデルの魅力も廃れ、中国流の権威主義経済モデルがますます大きな注目を集め、世界はますます無極化していく。・・・・アメリカの外交、対外路線、今後の国際関係にも非常に深刻な悪影響が出る。
短期的回復と持続的成長のバランスをどこに求めるか
――景気刺激策と財政赤字の間

ヤコブ・A・フレンケル/JPモルガン・チェース・インターナショナル会長
スティーブン・S・ローチ/モルガン・スタンレー・アジア会長
(2010年11月号)
膨大な財政赤字は企業の資本支出を30〜50%抑え込む。つまり、財政赤字が増えると、企業の投資は低下する。その理由の一つは、財政赤字を抱えている状態で大規模な景気刺激策を実行し、それによって財政赤字から抜け出せる見込みがなくなると、その不確実性が消えるまで企業は投資を躊躇するようになるからだ。とはいえ、政府に果たせる役割がないと言うつもりはない。政府は重要な役割を果たせる。それは、民間と競合するのではなく、民間部門を刺激する策をとることだ。この意味で、長期的な視点を持つ必要がある。・・・景気対策が期待していたほど効果を発揮しないのは、対策が終了した後の経済成長を支えるような環境整備が(政治的に)放置されることが多いからだ(Y・フレンケル)
財政赤字へのリスク認識が変化しない限り、
資金は動かない

――アラン・グリーンスパンとの対話

アラン・グリーンスパン/前FRB議長
モティマー・ザッカーマン/U・S・ニュース&ワールドリポート理事長
(2010年10月号)
いずれ先鋭化してくる日本問題とは、貯蓄に対して消費が大きくなるような人口構成へと日本が向かっていくことだ。最終的に、日本の経常黒字は赤字へと転じる。この時点で、日本は国際市場からはるかに高い金利で資金を調達しなければならなくなる。これが日本にとっての本当の問題だ。(A・グリーンスパン)
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世界各国の対GDP比債務残高 
日本の対GDP比債務残高は150%を越えている。
   


関連論文



新興国の少子化で世界経済の成長は減速する
(2010年11月号)
N・エバースタット 


世界を変える4つの人口メガトレンズ (2010年11月号)
J・A・ゴールドストーン


ギリシャ危機とユーロの将来(2010年9月号)
ロレンゾ・ビニ・スマギ



最近のニュースより

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アイルランド:2011年に60億ユーロの財政赤字削減を計画(11月5日)
ブルームバーグ


英政府が歳出削減策を発表、年金受給年齢引き上げなど柱(10月21日)
ロイター


米国:財政赤字1兆ドル超す 2年連続で大台−−10会計年度(10月16日)
毎日新聞


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    2010年11月2日更新
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 新興国の若年労働人口の低下で世界経済は長期的停滞へ
人口問題で世界経済を考える


新興国の少子化で世界経済の成長は減速する 
N・エバースタット/アメリカン・エンタープライズ研究所 政治経済学者
 (2010年11月号)
ヨーロッパと日本の人口の伸びが停滞して社会が高齢化し、医療や年金面での重荷が、縮小する一方の現役労働世代にのしかかっていくことは大きな問題として認識されている。だが、あまり認識されていないのが、今後の世界経済の成長を担っていくと考えられる新興経済諸国における人口面での制約だ。これが、一般に考えられている以上に深刻で厄介な問題となるかもしれない。・・・バラ色の未来を手にしているかにみえる中国も、今後20年間で若年労働力人口は30%、数で言えば1億人減少すると予測されている。これは少子化に苦しむ日本の若年労働力人口の減少率さえも上回っている。・・・・
世界を変える四つの人口メガトレンズ
―― 先進国の衰退と途上国の台頭をどう管理するか

J・ゴールドストーン /ジョージ・メイソン大学 公共政策大学院政治学教授
(2010年11月号)
迫り来る人口動態の大変動の余波を安定させるために、先進諸国にできることは数多くある。もちろん、子供の数を増やすことを考えるべきだ。フランスとスウェーデンは支援策として、産休期間を増やし、小さな子供がいる家庭への補助金も増額した。しかし残念なことに、政策決定者、人口統計の専門家の間でも、どのような政策をとれば出生率を最大限に高められるかについてのコンセンサスはない。効果の定かでない出生促進策よりも、移民政策の方が重要だろう。うまく管理すれば、先進国と途上国はともに人の移動から恩恵を引き出すことができる。


最近のニュースより

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「少子化不安だが子どもは持てない」理由は…経済的要因(10月25日)
共同通信


急速な変化を遂げるベトナムの労働市場=大和総研(10月18日)
サーチナ


世界人口、来年にも70億人に=日本は第10位−国連白書(10月20日)
時事通信

 
   

関連論文



世界的水資源不足の時代へ   (2010年9月号)
ジェームズ・E・ニッカム 


食糧・穀物供給危機の再来か―異常気象と穀物市場の行方 (2010年9月号)
ローリー・ギャレット


世界は再び食糧不足の時代へ (2010年3月号)
C・ランゲ&C・ランゲ


食糧危機の打開を阻む先進国の政治と妄想
(2008年11月)
ポール・コリアー


移民が生みだす世界の新力学 
(1996年06月)
マイロン・ウェイナー



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